フリタージュ研究の乖離
ケルヴランの『生物学的元素転換』しか読んだことのない人は、ケルヴランの研究をドクターが継承していると考えているかもしれない。しかしケルヴランとドクターの研究には共通点より相違点のほうが多いと言える。
たとえばケルヴランの所説としてはフリタージュ反応は核子クラスターの分裂・融合に基づく反応だが、ドクターの論文には核子クラスターという概念は存在しない。またケルヴランの研究は生体組織に含まれる軽い元素が中心だが、ドクターの研究は鉄・マンガン以降の重い元素を対象としている。
ケルヴランの研究の問題点については『フリタージュの真実』に記しているが、それについてはドクターの著作でも批判されている。しかしドクターの研究もまた不完全であり、特にフリタージュ反応のメカニズムと理論的解釈については『未来のフリタージュ』に記載しているとおりである。
ドクターはコールドフュージョンとフリタージュ反応をCCS、すなわち量子のコヒーレント相関状態に基づく反応と考えている。このCCSはもともとレベデフ物理学研究所のV ・V・ドドノフが1980年代に確立した理論である。
現在、ブラジリア大学に在籍しているドドノフ博士にドクターの論文を送ったところ、CCSを常温核融合に適用することは誤りであるという返信を受け取った。しかしドドノフ博士の意見にも関わらず、ドクターは自説を曲げるつもりはないらしい。
具体的な説明は次回のフリタージュ会議で行なうことになると思うが、CCSはアハラノフ・ボーム効果のように実際に観測されたこともないし、理論的に破綻している。ドクターに限らず、コールドフュージョンの研究者は明らかに破綻している理論を主張している科学者が多い。この点については少し調べればわかることである。
いずれにせよ私たちは、いかなる権威ある研究者の言葉も鵜呑みにすることなく、真実を追究することだけに専心すべきであることを銘記しておきたい。
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