縦糸と横糸
フリタージュ会議は、ふだんお会いすることのない方々と共通のテーマについて議論することができた充実した時間だったが、一つ心に残っていることがある。それはある参加者の方から新しい本について尋ねられたことである。
朔明社ではケルヴランの『生物学的元素転換』以外にもいくつかの本を出版している。しかし『未来のフリタージュ』以降新しい本は作成していない。
これまでフリタージュ・ブックスとしてリリースされた著作は、いわばフリタージュ研究の一次資料である。つまりケルヴランの研究にしろドクターの研究にしろ、できるだけ中立的な観点から翻訳・構成しており、その評価は読者に委ねている。
ケルヴランにはケルヴランの考え方があり、ドクターも独自の観点から自らの研究を進めている。これは他の研究者にも言えることであり、それらはフリタージュ研究において交わることのない縦糸と表現することができるかもしれない。
これまではそれで十分だと考えており、それがフリタージュ・ブックスの役割だと捉えていた。しかしこれらの縦糸を結ぶ横糸になるような存在が必要なのかもしれないと考えるようになってきた。いわばフリタージュ研究を一つの織物として完成させるための著作である。
それがどのようなものになるのかはまだわからないが、各研究者のプロフィールと世界観、そしてそれぞれの研究の共通点と相違点がキーワードになるだろう。
この複雑な要素をもつ織物をどのように完成させるのか、その手がかりを少しずつ模索しているところである。

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