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2025/06/19

〈知のフリタージュ〉構想

フリタージュ会議が終了すると、私たちはホテルを出てドクターを羽田近郊のホテルに送った。私はGマップのルートで乗り換えようとしたのだが、弟が途中まで同行してより良いルートを教えてくれた。口数は少ないが、いざという時に適切なフォローをしてくれる弟は、今回のフリタージュ会議の影の功労者である。

駅が近づくとホテルのプレートが見えたので、ドクターを送り届けてチェックインさせた。私はドクターに別れを伝えて再び駅に向かった。思えばドクターと初めて会ったのも横浜だった。もしかすると今回が最後かもしれないが、それもしかるべき流れなのかもしれない。フリタージュ会議を終えた充実感に心は満たされていたが、それとは違う明状しがたい想いも浮かんでいた。

私は再び成田に向かう電車に乗っていた。ドクターを迎えに行くときに泊まったホテルに予約をしていたからである。本当は横浜周辺のホテルを予約するつもりだったが、コンサートがあるらしくどこも満室だった。急いで帰る必要もないので、成田に一泊して観光してから翌日に帰ろうと考えていた。

暮れなずむ風景を眺めながら、今回のフリタージュ会議を少し振り返ってみた。今後ドクターが来日することは難しいかもしれない。これからは私たち日本人だけで活動を続けていくことになるだろう。その前段階の試みとしては成功と言えるのではないだろうか。

そして今回の会議では、吉野さんの講演という新しいアプローチも有意義だったと思う。また参加された方々も動機は様々だったと思うが、私としてはもう少し参加者の方から専門家としてのお話を伺いたかったという気持ちがある。いわば〈知のフリタージュ〉というテーマが今後の課題として提起されたのではないだろうか。

私たちの活動がこれからどのようにフリタージュしていくのか、その流脈を探っていきたいと思う次第である。

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2025/06/12

全てはフリタージュのために (4)

最初の講演は私の「フリタージュ研究の沿革-生物学的元素転換の世界」である。実はもともとパワーポイントを作成する予定ではなかったが、たまたまネットショップでパワーポイントのディスクを入手したことがきっかけで、これまでの研究の流れをまとめてみようと考えたのである。

ドクターの論文や著作はまわりくどい表現が多いので、比較的コンパクトにまとめることを心がけた。そのため講演時間は30分程度だったが、後から参加者の方からわかりやすかったと言ってもらえたのは何よりである。

次の講演はドクターだが、ドクターの場合パワーポイントを作りすぎていてどれを使うのかわからなかった。案の定1時間を超えるレクチャーが続けられることになり、ドクターの研究に詳しくない方には啓発的だったかもしれないが、すでに研究内容を知っている私にとっては退屈な復習をさせられている感じだった。

三つ目の講演は吉野さんだったが、ここで少しトラブルがあった。ドクターのノートパソコンではなぜか表示できなかったので、弟が持参していたパソコンに切り替えて何とか講演が開始された。

ドクターの場合は英語でまくしたてられるので理解しにくい部分があったが、吉野さんの講演は思考フォーマットが異なる内容で、私やドクターでは思いつかないユニークな観点だった。

四番目の講演は私の「MRETアクティベーターとMRETウォーター」である。今回の参加者は13名だったが、その中でMRETアクティベーターを使用されている方は2名だった。そこでMRETウォーターについてあまりご存知ない方にも理解しやすい内容にまとめることを心がけたつもりである。講演を始めるにあたってMRETアクティベーターのデモンストレーションを行ない、その後活性水を参加者の皆さんに飲んでいただくようにした。講演後にアクティベーターのお問い合わせを頂いたので、実施した価値はあったものと考えている。

最後はドクターの講演だったが、これも1時間を超えるレクチャーで正直よく覚えていない。MRETウォーターの研究自体が膨大であり、もう少しテーマを絞りこんだ形でレクチャーしてもらいたかったと思う。

これまでのフリタージュ会議はほぼドクターの講演会という印象が強かったが、今回は私や吉野さんがそれぞれの講演を行ない、内容的にもバリエーションに富んでいたと思われるものだった。 

学会には学術団体と任意団体があるが、フリタージュ会議はそのどちらでもない。いわば志のある人が自由かつ独創的な見解を公表する器のようなものだと私は考えている。

もちろんフリタージュとMRETという軸はあるが、次回のフリタージュ会議で参加者各自が独自の見解を公表し、自由にディスカッションできるような日が来ることを心から願う次第である。

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2025/06/07

全てはフリタージュのために (3)

5月31日、横浜は小雨が降るあいにくの天候だった。私たちは部屋をチェックアウトして昼からの会議のためにロビーで待機することになった。

11時頃に今回の講演者の一人である吉野さんが現れた。これまでフリタージュ会議は仙台や奈良など日本各地で行なってきたが、吉野さんは第1回から参加してくれている。今回は講演のみならず、多忙なところ資料の作成も引き受けてくれており、非常に感謝している。

ドクターと吉野さん、私と弟の4人で会議の打ち合わせをしていたが、11時半になってもフロントから何もアナウンスがなかったため、いつ頃から準備させてもらえるかを尋ねたところ、もう会議室は開いているとのことだった。次回はもっと細やかな配慮のできるホテルに泊まりたいと思った次第である。

さっそく会議室に入り、各自準備に取りかかった。プロジェクターにパソコンを接続し、再生を確認して微調整を行なった。今回はMRETアクティベーターを実際にデモンストレーションする予定だったので、隣のコンビニでミネラルウォーターを入手した。また会議室の後方にドクターのポスターも掲示することにした。弟には参加者の受付対応をしてもらうことにした。

参加者の方が続々と来場され、第4回フリタージュ会議は予定通り正午から開催される運びになった。今回のプログラムは以下の通りである。

第1講演 「フリタージュ研究の沿革-生物学的元素転換の世界」(朔明社 高下一徹)

第2講演「生体組織における元素転換反応と放射性廃棄物の処理」(ヴィソツキー博士)

第3講演「生物学的元素転換の情報幾何学によるアプローチ」(吉野友規)

第4講演「MRETアクティベーターとMRETウォーター」(朔明社 高下一徹)

第5講演「低周波電磁波によって活性化された水の記憶作用」(ヴィソツキー博士)

今回このような構成にしたのは、いきなりドクターの講演を行なっても分かりにくい面があると思えたので、私の講演で全体的な概要を把握してもらおうと考えたからである。

講演の内容を考えるとこれで参加費2000円は安いと思われるが、わざわざ遠方から参加される方も多いので、私としては参加しやすい形にしたかったからである。

準備も整い、いよいよフリタージュ会議の開幕である。私は不思議にリラックスした感じで開会の挨拶を行なったが、ドクターのメッセージは異様に長かった印象を受けた。

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2025/06/03

全てはフリタージュのために (2)

5月29日、盛岡は暑いくらいの晴天だった。周辺地図を見ていると北上川公園という所が近くにあるようなので、そこでサンドイッチでも食べようと思って歩いていった。

ところが着いてみると、そこは雑草の生い茂る河川敷で、公園として整備された場所は微塵もなかった。観光資源に乏しいのかもしれないが、こんな所を公園と偽る姑息な根性が気に入らなかった。

三ツ石神社もかなり距離があったが、パンフレットとはかなり印象の異なる小さな神社で、歩いていって疲れただけだった。おそらく盛岡に来ることは二度とないだろう。

5月30日、ICCFはこの日の昼まで開催されるが、私はホテルをチェックアウトしたらすぐ駅に向かうとドクターに伝えていた。最後まで参加したいのなら後から一人で来ればいいというと、ドクターは一緒に横浜に向かうと言った。

この日は曇りで関東方面では雨が降っているらしい。私は帰り道に福島の廃炉資料館に立ち寄ろうと考えていたが、天候も悪く電車の乗り替えも煩雑なので、横浜に直行することにした。

ようやく横浜に到着してホテルにチェックインすると、明日のフリタージュ会議のために会議室を確認させてもらった。ホテルに呼んだ弟とドクターとともにパソコンの接続等を確認していると、ホテルのスタッフから予約は明日なので今日は使わないようにという注意を受けた。どこもかしこもこういう対応である。

ドクターのパソコンでも接続できることは確認したが、明日の会議には一応弟にノートパソコンを持ってきてもらうようにした。全ての準備は整えたが、天候だけが気がかりだった。

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