失われたテーゼ
先日久しぶりに『地質学における微量エネルギー元素転換』の注文を頂いた。
ほとんどの人は『生物学的元素転換』止まりだが、ケルヴランはG・シューベルの協力の下に1973年にパイロープ高圧プレス実験を行なっている。そしてその結果、新しい元素転換反応を発見したことを本書において記述している。
ちなみに現代の常温核融合の研究では、地質学におけるコールド・フュージョンはほぼその存在を否定されている。唯一、カザフスタンのG・V・タラセンコ教授は地殻内の球状ノジュールがコールド・フュージョンによって形成されていることを主張しているが、形成プロセスを実証するエビデンスが乏しいことは否定できない。
またブリガムヤング大学のS・E・ジョーンズとJ・E・エルズワースは2003年に「ジオ・フュージョンと常温核融合」という論文を公表している。この中で彼らは地球や木星の内部でコールド・フュージョンが生じている可能性を示唆しているが、あくまで理論的な仮説であり、実験的な証拠は皆無に等しい。
この研究テーマは現代では語られることはないが、ケルヴランに協力したG・シューベルは原子核パリンジェネシスについていくつかの論文を残している。これについて今後考察を深めたいと考えている。
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