新たな世界線の選択
ケルヴランは1960年から1982年の22年間の間に9冊の著作を公表している。ドクターはそれを超える28年間にわたってフリタージュの研究を続けているが、2003年に初期の研究をまとめた著作を出版した後は単独の論文を公表しているばかりである。
最初の研究書からすでに20年が経過しているので、そろそろ新しい著作を出版してもおかしくはない。だがドクターにそのつもりはないようである。たとえ新作出版の意向があったとしても、戦争が続く今の状態では実現することは難しいかもしれない。
現実を憂慮していても何も変わらないし、誰かが何とかしてくれるわけでもない。そこで新しい世界線を選択する必要がある。つまり世界が望ましい方向に進んでいたら実現するであろう現実を作り出すということである。
もしドクターが新しい著作を出版するとしたらという観点の下に、これまでに公表されたドクターの論文を集約した研究書を制作してみたいと考えている。
どのような形になるかはわからないが、本来はドクターが制作するはずだった「幻の著作」を再現することになるだろう。
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