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2022/06/09

太陽系の玉手箱

先日、はやぶさ2が小惑星リュウグウから採取した砂の中から20種類以上のアミノ酸が発見されたことが報道された。

アミノ酸は一部の健康食品にも含まれているが、生体組織を構成する分子化合物の一つである。基本的な構造としてはアミノ基とカルボキシ基が炭素に結合した主鎖にメチル基などを含む側鎖が接合した形態をとっている。

また体内で合成できるアミノ酸と合成できないアミノ酸に分類されており、後者は外部から摂取しなければならない必須アミノ酸と呼ばれている。

今回発見されたアミノ酸は生体内で合成できるものとできないものが含まれているが、たとえばグルタミン酸とグリシンは、血液に含まれるヘモグロビンのサブユニットで置換して貧血の原因にもなりうるものである。そんなアミノ酸が小惑星の砂に含まれているということは何を意味しているのだろう?

詳細についてはさらなる分析結果を期待するしかないが、もともと火星と木星の間には一つの惑星が存在していたという仮説もある。もしそこに地球のような生命体が存在していたとすれば、同様のアミノ酸が構成成分になっていたという考え方も不可能ではないだろう。

リュウグウから届いた玉手箱は知られざる太陽系の歴史を示唆しているのかもしれない。

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