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2020/07/07

先駆者の鉱脈

G・シューベルが1947年に公表した二つの論文に対してフランス地質学会でどのような評価がなされたのかは定かではない。この論文によって彼は火成論者も変成論者も敵に回したわけだが、G・シューベルは後にフランス地質学会からプレストウィッチ賞を授与されており、異端の研究者ではなく優れた功績を残した地質学者として評価されている。

そしてこれらの論文を公表した時には、彼の照準はすでに次の標的に据えられていた。それが1952年の「花崗岩化作用と原子核物理学」という論文として結実することになる。この論考は「モロッコ地質調査局紀要」に公表されたものだが、45ページという異例のボリュームであり、きわめて高い専門的知見から地質学の常識とされるタブーに切り込んだ内容になっている。

「地質学における微量エネルギー元素転換」の中でケルヴランはこの論文の冒頭部を引用して、G・シューベルは1945年の原子爆弾を想起させるモロッコの花崗岩の調査から原子核パリンジェネシスを思い付いたと記している。たしかにこの論文はモロッコの花崗岩体を研究対象にしているが、原爆に関する記述は全く存在しない。これは地質学に無知なケルヴランがG・シューベルの論文から引用するプロセスで生じた誤った認識である。

それではG・シューベルがこの論文で示そうとした真実は果たして何だったのか。彼の後に続いてこの堅牢な鉱脈を掘り進めることにしよう。

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