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2018/05/04

水とガラスのメモワール

Glass_pole4月下旬、荒川尚也氏の個展が倉敷で開催されるというDMを受け取ったので、会場のギャラリーに足を運んだ。荒川氏は京都在住のガラス工芸家だが、2年前の個展にも参加していろいろとお話を伺ったことがある。

個展会場のギャラリーに着くと様々なガラス作品が展示されていた。日曜日だったがそれほど人も多くなかったのでゆっくりと作品を鑑賞することができた。荒川氏のガラス作品は、珪砂から可能なかぎり不純物を除去した透明度の高いガラスに特殊な技法で気泡が封入されている。それは流れている水がそのままの形で固まったような流動性と結晶性が感じられる作風である。

久しぶりに荒川氏とお会いして、作品の制作工程やガラスの成分組成・膨張率や徐冷のときの温度管理など興味深いお話を伺った。特に興味深かったのは、荒川氏の知人に日本酒の杜氏をしている人がいて、ガラス瓶から溶け出す微量成分によってお酒の味が変わることがわかるという話だった。

昼下がりのギャラリーでゆったり寛ぎながら、私は水とガラスの相似性について思いを巡らせていた。水が生物界の底流を支えているように、ガラスは鉱物界の代謝作用を司る存在である。水がシューマン共振によってクラスレート構造を形成するように、ガラスも地震波の影響などによって水晶に相転移することもあるのかもしれない。

現に珪素を含むシリコン・クラスレート化合物も存在しているので、水と同じようにガラスも太古の記憶を保持しているのかもしれない。古代の勾玉がガラスで作られていたのも何らかの意味があるのだろう。

Dsc_0002荒川氏との会話からいろんな着想を巡らせたあとにガラス作品を数点頂いて個展会場を後にした。しばらくはその器で杯を重ね、水とガラスの瞑想を深めたいと考えている。

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