ミディ・クロリアンとフリタージュ
映画『スターウォーズ』の近作にはミディ・クロリアンというものが出てくる。このミディ・クロリアンは細胞に共生する知性をもった微生物であり、それが細胞内に数多く含まれていると<フォース>と呼ばれるエネルギー場をコントロールすることができるという。このミディ・クロリアンがいわゆるミトコンドリアをモチーフにしていることはつとに知られている。
ミトコンドリアとフリタージュ反応の関係性については『未来のフリタージュ』に記述しているので、ここで改めて触れるつもりはないが、共生進化論の観点から見ると興味深い点が浮かび上がってくる。
もともとミトコンドリアはαプロテオバクテリアであり、葉緑体はシアノバクテリアに由来している。それらが動物や植物の細胞と共生するようになって真核細胞は多細胞生物へと進化していった。そしてミトコンドリアによって私たちはエネルギー分子のATPを作り出せるようになり、植物は光合成を行なえるようになったのである。
ところがこの原核細胞から真核細胞への進化には一つの矛盾が存在する。いわゆる蛋白質の合成に関与しない非コードDNAが増加し、ゲノムサイズが格段に巨大化したのである。これはいわば単純な機械が複雑なメカニズムへと進化したともいえるのだが、それと同時に全く機能していないジャンクゲノムも増殖しているのである。
ゲノムサイズが大きくなるということは細胞分裂の時間もエネルギーもそれだけ余分に必要になり、生体組織の効率化という観点からも好ましくない。またDNAの複製プロセスにおいてもミスコピーの確率が高くなる。
そのような矛盾を孕みつつ細胞レベルにおける共生進化が行なわれているということは、私たちが気づいていない何か重要な理由が存在するのだろう。おそらくそれは細胞のDNAとミトコンドリアのDNAとの遺伝子レベルの共生化作用であり、それこそが元素転換反応という<フォース>を覚醒させるものなのかもしれない。
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