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2017/07/21

ウォーター・カンファレンス 2017

今年の10月26日から29日にかけて、ブルガリアのソフィアでウォーター・カンファレンス 2017が開催される。(http://www.waterconf.org) これはワシントン大学の研究者、G・ポラック博士が主催するシンポジウムだが、ヴィソツキー博士もインバイティド・スピーカーとして招待されているとのことである。

この学会は過去にも開催されており、今年が第12回目ということだが、ドクターはこれまでにもMRETウォーターの研究や元素転換による放射性物質を含んだ汚染水の浄化処理に関する研究を公表している。アブストラクトを見ると、今回は汚染水の浄化処理に関する追加報告を行なう予定のようである。

G・ポラック博士は水に第四の相があるということを主張されていて、固体と液体の中間状態にそれは存在し、情報の記憶・伝達を行なう機能があるとされている。これだけを聞くとMRETウォーターのクラスレート構造に符合しているようにも思われるが、研究のバックグラウンドを把握しないまま安直に結びつけるわけにもいかないだろう。

また日本の神戸大学からは「アクアフォトミクス」の提唱者であるR・ツェンコヴァ博士が参加されるようである。アクアフォトミクスについては過去にも国際シンポジウムが開催されており、生体分子と水との相互作用を研究する新しいアプローチとして注目されているようである。

ドクターもMRETウォーターと生体分子の関連性を研究していたが、明確な結論が得られなかったので論文にはまとめていないという話を聞いたことがある。もしこのアクアフォトミクスによってMRETウォーターに関する新たな知見が得られれば、『MRETウォーター・サイエンス』に提示されている様々な実験結果についても、その作用メカニズムが明らかになるかもしれない。

この秋にどのような収穫を得られるのか、今から楽しみにしているところである。

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2017/07/07

コールド・プラズマとフリタージュ

地球レベルにおけるフリタージュ反応については、ケルヴランの盟友、G・シューベルの研究やV・B・ネイマンの元素倍増説が知られているが、現代ではカザフスタン・カスピ大学の地質学者、G・V・タラセンコが地殻内部におけるコールド・フュージョンを主張している。彼の論文「地質学的領域における常温核融合」の冒頭には以下のように記述されている。

「世界中の天文学者によって観測されている星雲は回転する螺旋構造を示している。この回転運動はダイナモ効果を引き起こし、莫大な電荷の蓄積を生じる。その電荷が放出されると球状のプラズマが形成され、その回転運動によって磁場と重力場をもつようになったプラズマは惑星に進化するのである。」

タラセンコ教授の学説はおそらくスウェーデンの科学者、H・アルヴェーンのプラズマ宇宙論に基づいていると思われるが、地球を形成したプラズマはさらにマントル領域で活動しているという。
つまり私たちがマントル対流として理解しているものは実はコールド・プラズマであり、地球のダイナモ効果と地殻内部における元素転換反応を生じているというのである。

そしてこのコールド・プラズマによって石油やレアメタルなどの派生物が生み出され、プレート運動によって地殻上部に運搬されて様々な地質現象を生じているとタラセンコ教授は主張している。

このようなコールド・プラズマによる地球規模の元素転換反応はきわめて興味深いものだが、その理論的根拠を示すことはなかなか難しいと思われる。
タラセンコ教授自身は「タラセンコ・ジェネレーター」という装置を開発して、コールド・プラズマのモデル実験を行なっているが、かなり厳しい批判も受けているようである。

コールド・プラズマによる地球モデルが実証されるためには地磁気の反転や磁極の周期的変動、地震波の異常屈折などの観測データとの整合性が必要である。
また近年、マントルのD''層における異常をポストペロブスカイトという鉱物の相転移によって説明しようとする学説が提起されているが、これもコールド・プラズマならではの解釈が求められるだろう。
タラセンコ教授の研究の深化に期待したいところである。


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