宇宙の凍結線
地球は水の惑星と言われる。しかしその水の起源ははっきりわかっていないらしい。
ブルーバックスの『地球はなぜ水の惑星なのか』という本によれば、太陽系が形成されたときに氷が凝縮する領域と水分が散逸される領域が生じたという学説があるらしい。その境界は凍結線と呼ばれ、小惑星帯が存在する2.7AU辺りになるという。
地球の軌道は1AUに存在するので凍結線よりはるかに内側にあり、その学説が正しければ本来は地球に水が存在することはありえないらしい。私たちが当たり前に感じているこの地球環境は宇宙的に見るときわめて特異な存在のようである。
科学者は隕石の分析などによって地球がどのように水を獲得したのかを検討しているようだが、根本的な前提が間違っているように思われる。
まず第一に原始太陽系星雲における元素合成の理論だが、鉄以降の元素は超新星の爆発以外には生じえないとされている。これも何らかの常温核融合のプロセスを考慮すべきだと思われる。
また凍結線を境界として地球型惑星と木星型惑星が形成されたというが、あまりにも単純化しすぎているように思われる。原始太陽系星雲から個々の惑星が形成されたときには、それぞれの惑星との共振作用が生じていたのではないだろうか。そしてそれによってボーデの法則に近い太陽系の形成プロセスが生じたのではないだろうか。
さらに言えば、太陽系が形成される段階で全ての元素が生成されたという前提も疑問である。端的に表現するなら、個々の惑星は元素転換反応を生じながら成長・進化していったと考えるほうが自然なのではないだろうか。
そのように捉えることによって初めて太陽系の形成と惑星の進化、そして地球の水の起源を統一的に解釈することができると思われるのである。
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