The mystery of biological transmutation
最近入手した本の一つに "The mystery of biological transmutation"というものがある。この本は2014年にイギリスのスカラーズプレスから出版されたオンデマンドブックである。
私はかなり以前からこの本の存在は知っていたが、これまであえて注文しなかった。というのもオンデマンドブックはいわば簡易的な自費出版本なので、この本の内容もすでに知っている資料をまとめたものだろうと考えていたからである。
今回取り寄せたのも特別な期待があったわけではないが、ともかく内容を確認してみようという気になっただけである。50ページぐらいの本だが、予想どおりビベリアン博士の論文やヴィソツキー博士の研究が引用されている。この本の著者のオリオン・レコスはアメリカ・ワシントン州の生物工学者ということだが、緑化事業のビジネスも行なっているらしい。
引用されている研究は既視感のあるものばかりだが、一つだけ興味深い発見があった。それはケルヴランとJ・E・ツンデルが行なったオート麦の栽培実験をレコスが追試していることである。
実験の詳細は確認の余地があるが、この追試実験の組成分析ではケルヴランの実験ほどのオーダーではないがカリウムやカルシウム、マグネシウムの変動が生じているようである。しかしレコスはそれを安直に元素転換反応に結びつけようとはしていない。
レコスは実験に使用された容器や水、空気等への移動の可能性を綿密に分析している。それと同時にオート麦から検出された大腸菌やサルモネラ菌も調査しており、それらが関与している可能性にも言及している。
その意味でレコスの見解は公正であり、フリタージュ反応に対する現代的なアプローチの一つとして意義はあると思われる。いずれ時間ができたら詳しく調べてみたいと考えている。
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