生物学的元素転換とホメオパシー
花粉症の季節が近づくと、それに関する対策や治療法が毎年取り上げられるようになっているが、最近では舌下免疫療法(減感作療法)というものが注目されているようである。これはホメオパシーとも少し類似しているらしい。
私自身はホメオパシーについてあまり造詣が深くないので生物学的元素転換との関連性を明確に示唆することは困難だが、ケルヴランの元素転換説とホメオパシーとの関連性についてはかなり以前から注目されていたことは事実である。
たとえばベルギーの栄養学者、エミール・プリスニエ博士は1966年に『あなたの健康を保とう』という著作を出版しているが、プリスニエ博士はこの本の序文をケルヴランに依頼している。ケルヴランの序文については『フリタージュの真実』に記しているので省略するが、この著作の中でプリスニエ博士は元素転換説を次のように紹介している。
「私たちの観察例と対応する形で、フランスの科学者C・ルイ・ケルヴラン教授は生物学的元素転換という斬新な仮説を提示しているが、それは今日確実な実験によって証明されているものである。その研究はナトリウムやマグネシウム、またカルシウムの代謝作用において支配的な役割を果たしている珪素に適用されている。さらにホメオパシーの医師たちはその創始者のハーネマン以来、脱灰症状のケースにおいてカルカレア・オストレラム(カキの石灰分)だけではなく、ナトラム・ムリアティカム(海水の塩分)やシリカ(珪土)を利用しているのである。」
このような文章の後にプリスニエ博士は、胎児の骨格形成や母乳の産出には適切な塩分や珪酸分が必要であると述べている。これはケルヴランの元素転換説とともにホメオパシーの有効性も示唆しているように思われる。ただしプリスニエ博士が具体的な症例や実験でそれを確認したのかどうかは明記されていない。
単純化して考えると医薬品は分子レベルの化学反応がメインであり、器官や組織、神経等に影響を及ぼすが、原子レベルになるとミネラルやイオンとして取り扱われ、細胞レベルに作用するケースが多くなる。ホメオパシーはもしかすると波動レベルということになるのかもしれないが、その作用メカニズムの検証は今後の課題といえるだろう。
しかし忘れてはならないのは原子レベルでも粒子性と波動性は共在しているということである。私たち電子のスリット実験や不確定性原理等で物理的知識としては知っているが、物質的な捉えかたをするほうが理解しやすいので、それをあえて黙殺して機械論的生命観の中に自らを閉じこめているに過ぎない。
自分が作り上げたものから自分自身を解放できるかどうかが、次のステージに進む鍵となるのだろう。
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