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2016/03/15

生物学的元素転換とホメオパシー

花粉症の季節が近づくと、それに関する対策や治療法が毎年取り上げられるようになっているが、最近では舌下免疫療法(減感作療法)というものが注目されているようである。これはホメオパシーとも少し類似しているらしい。

私自身はホメオパシーについてあまり造詣が深くないので生物学的元素転換との関連性を明確に示唆することは困難だが、ケルヴランの元素転換説とホメオパシーとの関連性についてはかなり以前から注目されていたことは事実である。

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たとえばベルギーの栄養学者、エミール・プリスニエ博士は1966年に『あなたの健康を保とう』という著作を出版しているが、プリスニエ博士はこの本の序文をケルヴランに依頼している。ケルヴランの序文については『フリタージュの真実』に記しているので省略するが、この著作の中でプリスニエ博士は元素転換説を次のように紹介している。

「私たちの観察例と対応する形で、フランスの科学者C・ルイ・ケルヴラン教授は生物学的元素転換という斬新な仮説を提示しているが、それは今日確実な実験によって証明されているものである。その研究はナトリウムやマグネシウム、またカルシウムの代謝作用において支配的な役割を果たしている珪素に適用されている。さらにホメオパシーの医師たちはその創始者のハーネマン以来、脱灰症状のケースにおいてカルカレア・オストレラム(カキの石灰分)だけではなく、ナトラム・ムリアティカム(海水の塩分)やシリカ(珪土)を利用しているのである。」

このような文章の後にプリスニエ博士は、胎児の骨格形成や母乳の産出には適切な塩分や珪酸分が必要であると述べている。これはケルヴランの元素転換説とともにホメオパシーの有効性も示唆しているように思われる。ただしプリスニエ博士が具体的な症例や実験でそれを確認したのかどうかは明記されていない。

単純化して考えると医薬品は分子レベルの化学反応がメインであり、器官や組織、神経等に影響を及ぼすが、原子レベルになるとミネラルやイオンとして取り扱われ、細胞レベルに作用するケースが多くなる。ホメオパシーはもしかすると波動レベルということになるのかもしれないが、その作用メカニズムの検証は今後の課題といえるだろう。

しかし忘れてはならないのは原子レベルでも粒子性と波動性は共在しているということである。私たち電子のスリット実験や不確定性原理等で物理的知識としては知っているが、物質的な捉えかたをするほうが理解しやすいので、それをあえて黙殺して機械論的生命観の中に自らを閉じこめているに過ぎない。

自分が作り上げたものから自分自身を解放できるかどうかが、次のステージに進む鍵となるのだろう。

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2016/03/02

科学者の良心

昨年の6月、常温核融合の研究者、小島英夫氏はCFRLニュースNo.94において生物学的元素転換に自らのTNCFモデルを適用した論文を公表している。(http://www.geocities.jp/hjrfq930)

この論文の内容はあまりにひどいものだったので小島氏に直接抗議しようと考えたのだが、ドクターに止められたのでそれは思いとどまった。しかしこの論文を読んで誤解をする人がいないとも限らないので、以下にいくつかの問題点を指摘しておきたい。

まず第一に小島氏はヴィソツキー博士からいくつかの情報を提供されたにも関らず、それをあえて公表していない。たとえばドクターは自らの実験結果に対してCCS理論に基づく解釈を行なっているにも関らず、小島氏はそれを一切紹介しておらず、ひたすらTNCFモデルの有効性を強調しているのである。

次に小島氏はヴィソツキー博士が20年近くこの研究を継続しており、様々な実験結果を得ていることを知りながら、TNCFモデルが適用しやすい反応だけをピックアップしており、それ以外の反応を完全に黙殺しているのである。

他の研究者の実験成果を引用するのは別に悪いことではない。しかし自分の理論やモデルの有効性を強調するために都合のいいところだけを利用するという行為を恣意的に行なっているのであれば、それは論文の盗用・データの改ざんと並んで科学者として最も恥ずかしい行為の一つである。

小島氏はこの論文をヴィソツキー博士に共著者の形で公表したいと提案したそうだが、ドクターはそれを断ったという。その理由をドクターのメールから引用しておきたい。

I do not agree with his model for two main reasons

1. How are these necessary for the reaction neutrons are created and why
they do not appear in normal (non-living) matter

2. Almost all the reactions with neutrons produced a strong and
long-term radioactivity. However, this activity is completely absent in
experiments!!!

  It is because of these reasons, I would not be a co-author in his
article (because in this case, I implicitly confirm his theory).

内容はあえて翻訳するまでもないだろう。以上のような問題点がある以上、ヴィソツキー博士も私も小島氏の論文の内容に同意することはできないことを断言しておきたい。

小島氏に科学者としての良心があるのならこの論文を撤回し、不適切な形で研究内容を引用したことをヴィソツキー博士に直接謝罪して頂きたい。その上で生物学的元素転換に関心をもたれているのならヴィソツキー博士の著作や論文、フリタージュ・ブックスで包括的な理解を深めて頂きたいと願う次第である。

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