錬金術師への手紙
新年を迎えるときにはヴィソツキー博士とレオン・ゲゲンに必ず年賀状を送っている。しかし外国人には年賀状を送る習慣がないのか、彼らの返信はいつもメールで送られてくる。
レオン・ゲゲンには昨年パリで起こったテロ事件に対する哀悼の意を記しておいたが、例年どおり新年の挨拶のメールが届いた。いつもならそれで話は終わりになるのだが、私は彼がかつてケルヴランと個人的に手紙のやりとりをしたと言っていたことを思い出し、当時どのような意見交換をしたのか教えてほしいと伝えた。しかし彼からのメールはそこで途絶えていた。
レオンとケルヴランが激しい論争を繰り広げたことは『フリタージュの真実』に記したとおりだが、それはもはや40年前のことである。その当時の手紙など保管していることはありえないだろう。そう考えていた数日後、意外なことに再びレオンからのメールが届いた。そしてそのメールに添付されていたファイルは当時彼がケルヴランに送った手紙だったのである。
この手紙の日付は1972年5月であり、『フリタージュの真実』で言えばちょうど『レゾ・プレザンテ』や『ラ・リシェルシェ』における論争の時期に一致している。レオンによると、ケルヴランから送られてきた手紙はあまりにも攻撃的で科学的価値のないものだったので処分したとのことだった。ケルヴランの手紙の内容がわからないのは残念だが、このレオンの返信を調べていくと当時の彼らの論点が明確になっていくかもしれない。
レオンは他にも当時の資料をいくつかのPDFファイルとして送ってくれた。論争当時は30代だった彼も現在は80才近い年齢である。このような資料はフランスの古書店でもまず見つかることはなく、今回のような機会がなければ歴史の闇に消えてしまう可能性もあっただろう。今後、これらの資料を解読して新たなる真実を明らかにしたいと考えている。
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