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2015/10/28

惑星グリッドの真実

『未来のフリタージュ』が完成して、フリタージュ・ブックスは一つのシリーズとしても完成した印象を覚える。そこでこれからは少し異なるテーマを追究したいと考えている。それは1970年代にN・ゴンチャロフ、V・マカロフ、V・モロゾフの三人によって提唱された<地球結晶体>という作業仮説である。

この地球結晶体モデルはこれまで「ロシアン・グリッド」という通称で知られているが、現在ではそのモデルを改変した「惑星グリッド」という概念が一部で流布されているらしい。しかし、かつて三人のロシア人が提唱したロシアン・グリッドの本質については、全くといってよいほど知られていない。

この作業仮説は、ロシア語では"Икосаэдра-Додекаэдра система земля"と呼ばれており、その頭文字をとって"ИДСЗ"という名称が使われている。直訳すると「二十面体・十二面体の地球システム」という意味だが、名称としては長すぎるので、ここでは暫定的に「ゼムリア仮説」、あるいは「地球結晶体モデル」と呼ぶことにしたい。

惑星グリッドに関するあるサイトの記述によると、このゼムリア仮説はソビエト科学アカデミーの出版物の中で始めて紹介されたということだが、この情報はきわめて疑わしいものである。なぜならゴンチャロフは歴史研究者、マカロフはエンジニア、モロゾフは建築技師であり、彼らは科学アカデミーの人間ではないからである。ちなみにロシア科学アカデミーのサイトを少し調べてみたが、彼らの仮説に関する情報は全く得られなかった。

Zemliaゼムリア仮説を最初に提示した資料は、1973年に発行された「コムソモリスカヤ・プラウダ」という新聞記事である。これまでの情報では、この記事のタイトルは「地球は巨大な結晶か?」とされていたが、実際には"Какая же ты, Земля?"というタイトルであり、直訳すると「地球よ、お前は何者だ?」という意味である。しかもこの記事を書いたのは三人のロシア人ではなく、彼らを取材したN・ボドナルクという科学ジャーナリストである。

このゼムリア仮説は、あるいはフリタージュと関連しているという情報もあるので、今後調査を進めていきたいと考えている。

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2015/10/10

『未来のフリタージュ』

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『未来のフリタージュ』がようやく完成した。ページ数は80ページと少しコンパクトだが、21世紀のフリタージュ研究の現況を示す内容だと自負している。

『フリタージュの真実』はケルヴランと論争を繰り広げたレオン・ゲゲンの協力の下に完成したが、今回の『未来のフリタージュ』は J・P・ビベリアン博士やR・ジョージ博士などの協力によって完成することができた。この場を借りて感謝の意を表したいと思う。

特にICCF-16のワークショップで微生物顆粒の元素転換実験を公表したR・ジョージ博士に今回の著作の企画を伝えたところ、こころよくパワーポイントの翻訳と掲載の許可を頂いた。そのためジョージ博士のパワーポイントの画像を表紙に採用し、フリタージュ・ブックスとしては初めてカラー印刷の表紙に仕上げている。具体的なその収録内容は以下のとおりである。

*S・フェイレ博士とN・レイターによるフォートヒル培養菌の実験

*J・P・ビベリアン博士によるマリノバクターの実験

*Y・K・ディディクとE・M・アスタフィーバの研究

*「生物学的元素転換-その研究の沿革」(J・P・ビベリアン)

*R・ジョージ博士の微生物顆粒による元素転換実験

*V・I・ヴィソツキー博士のCCS理論

そして最後にこれらの研究成果を概観した上で、フリタージュ反応と生物の進化や細胞構造との関係性について独自の考察を行なっている。

たとえば「微生物の種類によって転換反応の効率は変化するのか?」 「このような元素転換反応は何のために生じるのか?」 「その反応メカニズムはどこに存在するのか?」 こうした問題について現時点で考えられる可能性と、それを実際に検証するための実験を提起した内容になっている。

もしあなたがケルヴランやヴィソツキー博士の研究で知的好奇心が飽和しているのなら、この本を手に取る必要はない。

ルネ・デカルトは『方法序説』の中で世界観照のための<方法論的懐疑>を説いた。『未来のフリタージュ』を読む人に必要なものは、この<方法論的懐疑>かもしれない。

ケルヴランの元素転換説やヴィソツキー博士の理論を鵜呑みにするのではなく、それを一つの見解として受け入れたうえでさらに視野を広げ、より包括的な視点から問いを深めることである。

おそらく数は少ないかもしれないが、そういう方々の期待に応えるものとなることを望む次第である。

 

 

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