エポカルでの再会
11月8日。朝方は少し冷えこんだが、よく晴れた天気だった。ドクターとは正午につくば駅で会う約束をしていた。少し早かったが9時過ぎに弟のアパートを出発して菊名から代々木をへて秋葉原に向かう。しかしまだ通勤時間の余波のせいか電車は満員状態で、早くも気持ちがくじけそうになる。だが一人旅ならともかくドクターとの約束を破るわけにはいかない。電車の乗り換えのたびに重い荷物をかついで駅の構内を移動するのはひと苦労だった。
秋葉原に着くと弟に荷物をまかせてつくばエクスプレスに乗った。都心部を少し離れるとのどかな田園風景が窓の外に広がっている。AM10:30を過ぎた頃に終点のつくば駅に到着した。
ドクターとは駅前にあるバスチケットセンターで待ち合わせしようという話だったが、早く着きすぎたためチケットセンターにはまだ来ていなかった。一体どこにいるのかわからないが、とりあえず学会の会場のつくばエポカル(国際会議場)まで歩いてみようと考えた。
晩秋にしては日差しがまぶしく、サングラスをかけて紅葉の風景を撮影しながら歩いていくが、なかなかエポカルにたどり着かない。「このまままっすぐでいいのか?」と思いつつも進んでゆくと、スーツ姿の人物とすれちがう。サングラスを外して「ドクター?」と声をかけると驚いた様子で「Taka!」という返事が返ってきた。ヴィソツキー博士との4年ぶりの再会だった。
筑波の学会はちょうどこの日に終了したらしく、ドクターと一緒にエポカルの施設内を見てまわった。1Fのフロアーには一本の樹が生えていたが、ドクターいわくこの施設を建造したときに伐採せずにシンボル的に残したのではないかという。そして「スペシャルランチがある」というので何かと思えば、学会終了のレセプションとして立食バイキングが開かれるらしい。そこで学会に参加していない私もドクターと一緒にそのバイキングに参加することになった。
バイキングの会場には世界各国の研究者がいて、会場の半分は研究発表のポスタリゼーションが行なわれていた。これは時間がかかりそうだと思い、そこで昼食をとりながら上野に移動している弟に少し遅くなることをメールで伝えておいた。食事を終えると私たちは紅葉あふれる道を歩いて筑波大学に向かっていった。
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