幻の論文
PSAM-2013で公表される予定だった論文がヴィソツキー博士から送られてきた。ドクターが直接論文を送ってくれるのはきわめて珍しいことである。
論文のタイトルは "Accelerated controlled decontamination of long-lived reactor waste in microbiological cells and the problem of natural deactivation of Chernobyl and Fukushima areas" というもので、PDF10ページの内容である。訳してみると、「微生物細胞における長寿命放射性廃棄物の加速的浄化処理とチェルノブイリ・福島地域における自然壊変の問題」というところだろう。
その内容はこれまでの著作や論文に引用されている実験データと完全に一致するものであり、『生体系における同位体の元素転換と核融合』の中に全て収録されている。したがってその詳細についてここで検討するつもりはない。
ヴィソツキー博士によると、PSAMは除染ビジネスに対する技術的提言に重点を置いていたため、この論文を却下したのではないかという。もしかするとこの学会に関与している研究者やスポンサーにとって、ドクターの研究はあまりよろしくない内容だったのかもしれない。
過去には丸山ワクチンの研究が製薬メーカーの圧力によって学会での公表を阻止されたという話もあり、こうしたことはよくあることらしい。情報源の信頼性について、たまに査読つき論文の存在が取りざたされることがあるが、問題はどのような学会や専門誌の編集委員が査読を行なっているのかということである。政府の公式見解やメディアの公表、有識者のコメントなども実際は厳しく規制されており、不都合なところは編集でカットされている。そしてそれが必ずしも中立・公正とはいえないことは明らかだろう。
それが現実であることはしかるべく受け入れなければならないが、今後の活動に向けては新たなスタンスを模索しなくてはならないようである。
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