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2013/03/21

幻の論文

PSAM-2013で公表される予定だった論文がヴィソツキー博士から送られてきた。ドクターが直接論文を送ってくれるのはきわめて珍しいことである。

論文のタイトルは "Accelerated controlled decontamination of long-lived reactor waste in microbiological cells and the problem of natural deactivation of Chernobyl and Fukushima areas" というもので、PDF10ページの内容である。訳してみると、「微生物細胞における長寿命放射性廃棄物の加速的浄化処理とチェルノブイリ・福島地域における自然壊変の問題」というところだろう。

その内容はこれまでの著作や論文に引用されている実験データと完全に一致するものであり、『生体系における同位体の元素転換と核融合』の中に全て収録されている。したがってその詳細についてここで検討するつもりはない。

ヴィソツキー博士によると、PSAMは除染ビジネスに対する技術的提言に重点を置いていたため、この論文を却下したのではないかという。もしかするとこの学会に関与している研究者やスポンサーにとって、ドクターの研究はあまりよろしくない内容だったのかもしれない。

過去には丸山ワクチンの研究が製薬メーカーの圧力によって学会での公表を阻止されたという話もあり、こうしたことはよくあることらしい。情報源の信頼性について、たまに査読つき論文の存在が取りざたされることがあるが、問題はどのような学会や専門誌の編集委員が査読を行なっているのかということである。政府の公式見解やメディアの公表、有識者のコメントなども実際は厳しく規制されており、不都合なところは編集でカットされている。そしてそれが必ずしも中立・公正とはいえないことは明らかだろう。

それが現実であることはしかるべく受け入れなければならないが、今後の活動に向けては新たなスタンスを模索しなくてはならないようである。

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2013/03/07

隕石とフリタージュ

先月ロシアで隕石が落下し、世界中のメディアで大きな注目を集めた。隕石の本体は見つかっていないようだが、発見された破片によると石質隕石の一つと考えられている。このニュースから思い出したので、私の持っている「隕石」を紹介したい。

Imgp0133 一つはスイスのナイフメーカー、クロッツリが限定製作した<スペース・ナイフ>というものである。ハンドルはチタン製だが、ブレードは地球上には存在しない金属、オクタヘドライトでできている。

Imgp0128 このオクタヘドライトは一部の鉄隕石に含まれている特殊な鉱物で、表面にウィドマンシュテッテン模様という幾何学的パターンが浮かび上がっているのが特徴である。この模様はオクタヘドライトの特殊な結晶構造を反映しているという。

通常ナイフのブレードは鋼材を熱処理することによって硬度を調整している。鉄隕石は火星と木星の間にあった小惑星が爆発し、それが何百万年もかけて冷却されたことによってオクタヘドライトのような特殊な鉱物が形成されたものと考えられている。それが隕石として地球に落下したわけだから二度の熱処理を受けていることになるが、そのわりには比較的研磨しやすい硬度になっている。

Imgp0140 もう一つはモルダバイトという隕石のペンダントだが、これは半透明の緑色の鉱物である。外観は翡翠に近いと思われるが、モルダバイトという名称はスメタナの交響曲でも知られるモルダウ川流域で発見されたことに由来するらしい。

Imgp0142 このモルダバイトは実は隕石と呼べるものかどうかははっきりしない。隕石が地表の岩石と激突したときに衝撃変成作用で形成されたのではないかと考えられているが、正確な成因は不明らしい。

G・シューベルはこのような鉱物はR.N.N.T.による元素転換反応によって生成したのではないかと述べているが、そのような可能性を含めて形成プロセスを検討してみると新しい発見があるかもしれない。

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