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2012/06/29

共同研究プロジェクトの募集

6月上旬、久しぶりにタシレフ博士から連絡があった。それはウクライナ科学技術センター(STCU)による研究プロジェクト公募に関する情報だった。

http://www.stcu.int/news/index.php?id=369

このニュースによると、福島原発事故による汚染地域の(A)除染技術と再居住化、(B)長期間のモニタリング調査に関する研究プロジェクトが募集されている。

タシレフ博士は、もし関心があればこのプロジェクトに参加して日本国内の企業・団体と共同で研究を進めたいと伝えてきた。これにはキエフ微生物学研究所とキエフ原子力研究所が協力体制をとるという。

タシレフ博士のRMMテクノロジーについては以前にも記したことがあるが、有機化合物や重金属、放射性核種といったゼノバイオティクス(生体異物)を高い効率で処理することができる微生物顆粒を応用した技術であり、現にウクライナ南極基地でも実用化されている。

ヴィソツキー博士が元素転換実験に使用しているMCTも、実質的にはタシレフ博士の微生物顆粒であり、セシウム137などの放射性元素を効率的に吸収し、廃棄物の減容化を行なうことが可能である。

タシレフ博士の申し出を受けて、私は福島とつながりをもつ企業と共同研究プロジェクトについて交渉を進めていた。しかし現時点での計画の不確定な要素もあり、話はまとまらなかった。

すでにこの研究プロジェクトに関する計画素案がキエフ微生物学研究所から送られているが、それによると第1段階としてはキエフ側で実効性のある浄化処理プラントの開発を行ない、第2段階では福島にプラントを建造して汚染土壌の処理を行なうプランが策定されている。

私としてもキエフ側と協力してこのプロジェクトを実現させたいと考えているが、福島とは全くコネクションがない。やはり現地とつながりをもつ企業・団体の協力がなければ計画の推進は困難である。

キエフ微生物学研究所とキエフ原子力研究所が、ともに福島の除染のために動いてくれるという今回の申し出は、二度とないチャンスである。汚染地域の除染を真剣に検討している企業・団体の方、あるいはそのような知りあいを持たれている方はぜひご連絡頂きたい。

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2012/06/18

MRETクッキング

このところMRETアクティベーターの注文が相ついでいる。MRETウォーターの効能については小冊子や体験談に記されていて、すでにご承知のことと思うので、アクティベーターの少し異なる活用方法について触れておきたい。

MRETアクティベーター購入者のパンフレットにも記載しているが、水だけを活性処理して使用するのは少しもったいない使い方である。牛乳やジュース、歯磨き粉やクリームなどいろんなものを活性化して楽しんでもらいたい。少し衛生面に気をつける必要はあるが、私は醤油やオリーブオイルなどの調味料やシャンプーも活性処理して使用している。

ただし水以外のものを活性処理する場合は少し工夫が必要である。特に新型MRETアクティベーターの発振体は蓋に固定されているので、落下させないように気をつけて頂きたい。

たとえば牛乳を活性化させる場合だが、私はペットボトルの上部を切りとって発振体が入る「アダプター」にして牛乳パックの上にのせるようにしている。参考にして工夫して頂きたい。

食材に対する活性処理の効果としては、まず味がマイルドになることが上げられる。これはMRET活性処理すると酸性やアルカリ性の食材は中性に近づくためである。詳しくいえば酸性・アルカリ性のイオンがマイクロキャビティーに取りこまれるので、味覚的にまろやかに感じられる作用が生じるのである。

N04 左の写真は納豆を活性処理したときのものだが、曳糸性という納豆特有の性質がなくなっていることがわかる。MRETによる活性処理は粘性係数を低下させるので、食材の流動性と浸透性が向上するのである。

ユーチューブにもいくつかの動画がアップされているが、活性処理したオイルで揚げ物をつくると油の消費量が40%下がるそうである。

MRETアクティベーターによる食材の活性処理は様々な料理の「隠し味」として利用することが可能なようである。新しい「レシピ」を考案した方はぜN05 ひお知らせ願いたい。

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2012/06/09

ICCFとICRS

今年の8月には韓国でICCF-17が開催される。ヴィソツキー博士はこのICCF-17にも参加予定とのことだが、9月には奈良県で開催されるICRS(放射線防御に関する国際会議)に参加するため来日されるとのことである。

実はこのICRSに関しては少し問題が生じていた。こうした学会ではあらかじめ提出された論文を主催者側が査読し、それによって公表の可否を研究者に通知する形になっている。すでにいくつか論文を提出していたドクターは、それについて査読を担当するある日本人研究者に何度か問い合わせていたが、全く回答を得られていないことを私に伝えていた。

ドクターからの依頼を受けて私は、この研究者の連絡先を調べて状況を確認するメールを送った。この研究者は5月末までに査読結果を通知すると知らせてきたが、6月になってもドクターの元に通知は届いていなかった。そこで再度連絡を取り、ヴィソツキー博士の研究について不審な点があるのなら連絡してほしいと伝えておいた。ドクターに通知が届いたのはその数日後のことだった。

こうしたICRSへの正式な参加が決まったわけだが、もし参加を希望される場合はICRSのサイトを参照してほしい(http://www.icrs12.org)。

またICRSの開催機関は9月2日(日)から9月7日(金)になるが、フリタージュ会議はその前後のいずれかに開きたいと考えている。そのためにはドクターの来日日程を調整してもらう必要もあるので、まだ正式な決定ではないが、場所としてはICRSの会場である奈良か大阪を考えている。この点については参加を考えている方から希望や提案があればお知らせ願いたい。

ヴィソツキー博士の研究についてはそれぞれ質問してみたいこともあると思う。せっかくの機会なので有意義な会合にしたいと考えている。

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2012/06/01

今後の実証実験に向けて

田崎教授の除染実験についてはすでにヴィソツキー博士にも伝えているが、「実に興味深い実験であり、私たちの研究結果とも整合性がある。」という回答だった。

彼らがMCTを使用して行なった実験では、残留放射能が強かったため顕微鏡検査は行なわれていないが、おそらく同様の蓄積作用が生体組織に生じていただろうとヴィソツキー博士はコメントしている。

田崎教授の除染実験について付言すると、もう少し詳細なデータがほしいところである。まず使用された糸状菌の種類も不明であり、それがどのような生理学的作用を生じたのかもわからない。具体的にいえば「生体鉱物化作用」によって蓄積された鉱物がバリウムなのかどうかも明確ではないし、バリウムにもいくつかの同位体があるので、やはり定量分析は不可欠である。それとともに土壌成分の変化(たとえば粘土質によるセシウムの吸着)も明らかにされるべきだろう。そのような要因を踏まえた上でフリタージュ反応の可能性は検討されるべきである。

しかしこの実験で注目すべき点は、キエフ・グループのMCTより転換効率は低いかもしれないが、それ以外の微生物でも放射性元素のフリタージュは可能かもしれないということを示唆しているところである。逆にいえばフリタージュ反応はあらゆる微生物にとって普遍的な反応であり、田崎教授はたまたまそれを断片的なデータとして検出したのかもしれない。

だが、いくら興味深いデータを得たとしても研究者の念頭に元素転換という考え方が欠如していたなら、決してその本質は追究されえないだろう。その意味では残念なことではあるが、別の微生物を使用して同様の実験検証を行なう必要はあるかもしれない。今後は定量分析をともなった実証実験が行なわれることを期待したいものである。

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