共同研究プロジェクトの募集
6月上旬、久しぶりにタシレフ博士から連絡があった。それはウクライナ科学技術センター(STCU)による研究プロジェクト公募に関する情報だった。
http://www.stcu.int/news/index.php?id=369
このニュースによると、福島原発事故による汚染地域の(A)除染技術と再居住化、(B)長期間のモニタリング調査に関する研究プロジェクトが募集されている。
タシレフ博士は、もし関心があればこのプロジェクトに参加して日本国内の企業・団体と共同で研究を進めたいと伝えてきた。これにはキエフ微生物学研究所とキエフ原子力研究所が協力体制をとるという。
タシレフ博士のRMMテクノロジーについては以前にも記したことがあるが、有機化合物や重金属、放射性核種といったゼノバイオティクス(生体異物)を高い効率で処理することができる微生物顆粒を応用した技術であり、現にウクライナ南極基地でも実用化されている。
ヴィソツキー博士が元素転換実験に使用しているMCTも、実質的にはタシレフ博士の微生物顆粒であり、セシウム137などの放射性元素を効率的に吸収し、廃棄物の減容化を行なうことが可能である。
タシレフ博士の申し出を受けて、私は福島とつながりをもつ企業と共同研究プロジェクトについて交渉を進めていた。しかし現時点での計画の不確定な要素もあり、話はまとまらなかった。
すでにこの研究プロジェクトに関する計画素案がキエフ微生物学研究所から送られているが、それによると第1段階としてはキエフ側で実効性のある浄化処理プラントの開発を行ない、第2段階では福島にプラントを建造して汚染土壌の処理を行なうプランが策定されている。
私としてもキエフ側と協力してこのプロジェクトを実現させたいと考えているが、福島とは全くコネクションがない。やはり現地とつながりをもつ企業・団体の協力がなければ計画の推進は困難である。
キエフ微生物学研究所とキエフ原子力研究所が、ともに福島の除染のために動いてくれるという今回の申し出は、二度とないチャンスである。汚染地域の除染を真剣に検討している企業・団体の方、あるいはそのような知りあいを持たれている方はぜひご連絡頂きたい。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
最近のコメント