新書完訳
キエフ・グループの研究書『生体系における同位体の元素転換と核融合』の翻訳がようやく完了した。今後は校正と編集作業を行ない、出版の準備を進めることになるだろう。すでに部分的な作業は行なっているが、この年末年始にかけて全体的なオペを行なう予定である。
この本がリリースされたのは2003年7月だが、私はその少し前に彼らの研究のことを知ったばかりだった。当時はまだ『生物学的元素転換』も完成していなかったが、京都大学の会合で知りあったある教授から「放射性元素の転換を研究をしている人物がいる」という話を聞いたのがきっかけだった。
ところがどこの誰なのかは教えてもらわなかったので、その後しばらくはその情報も忘れかけていた。やがてICCFに関するサイトを知るようになって、ようやくヴィソツキー博士の論文にたどり着いたのである。
2004年頃にはヴィソツキー博士とメールのやりとりをするようになり、その著作を入手して翻訳を開始したのが平成16年1月20日である。そうするとこの翻訳を完成するのに8年間かかっている計算になる。
8年は長いと思われるかもしれないが、この期間には『生物学的元素転換』、『地質学における微量エネルギー元素転換』、『フリタージュの真実』、『MRETウォーター』という4冊のフリタージュ・ブックスを完成させる作業を延々と行なってきた。それに加えて今回の翻訳作業も続けていたという経緯がある。
実をいうと私は、この本の翻訳はかなり困難だと考え、全く別の本を制作する予定だった。各章を分割して実験データをメインとする論文集として再構成しようと考えていたのである。ところが、そのように作業を進めていくうちに、各章の内容がかなり関連性をもっていて分割することが難しいことがわかってきた。そこで翻訳作業の量を3倍に増やして全体を完訳する方向にシフトしたのである。
そのために内容的にかなり高度な専門書になってしまったが、そこに彼らの研究の真価を見出していただければ幸いである。
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