秋から春へ
8年前に翻訳を開始したキエフ・グループの著作『生体系における同位体の元素転換と核融合』の翻訳もそろそろ終盤にさしかかりつつある。今のペースでいけば、おそらく年末には翻訳を完成することができるだろう。そして来年には編集・校正の作業を経てプロトタイプの完成をめざすことになる。
だがそこからが問題である。この著作はロシア語と英語のバイリンガル構成で、これまでは英文に基づいて翻訳を進めてきた。しかし彼らの英語は旧ソ連時代の英語教育によるものなので非常に難解であり、また一部には完全な誤用と思われる表現も少なくない。そこで私はロシア語を学習しながら少しずつロシア語原文の方も調べているが、英訳文とは少しニュアンスの異なる部分も多々あることがわかってきた。
さらに内容が特殊な研究領域に関するものなので、量子力学における専門用語や独特の概念も数多く記されている。また収録されている実験データの画像も不鮮明なので、ヴィソツキー博士に記述内容の確認を取りつつ、オリジナルの画像データを送ってもらった。しかしその画像もかなり難点のあるものなので、現在画像加工ソフトで修正を進めている。
このような状況なので、翻訳自体が完了したとしても次の段階に進むためには様々な作業工程が必要になるだろう。またこの著作以外にも関連する論文をいくつか翻訳しているので、それらをどのように組み込むかも一つの課題といえる。
編集作業によってプロトタイプがどのような構成になるかは今のところ不透明だが、来年の春にはひとつの形に結晶化させたいと考えている。
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