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2011/09/30

EM菌と生物学的元素転換(2)

比嘉教授による午前中の基調講演は「環境にやさしい花のまちづくり」と題するもので、EM菌を活用した栽培例の報告をメインとするものだった。会場の参加者はおそらく農業関係と思われる年配の方が中心で、私のような人間は少し場違いに思われた。

だがこれとは対照的に午後の講演は実に驚くべき内容だった。それはEM菌による放射能除染実験に関するものだったのである。講演で上映された資料に基づいてその実験手順を以下に記載しておく。

除染実験が行なわれた場所は福島県飯舘村のブルーベリー農園である。面積20アールのこの農園は(1)対照区(2)EM活性液散布区(3)EM活性液+米ぬか散布区の三つに区分され、5月10日以降10アール当たり100ℓの活性液が週2回散布された。

Em0018 そして2ヵ月後の7月に各区域の土壌とブルーベリーが採取され、ゲルマニウム半導体検出器によって同位体核種の定量が行なわれた。その結果、当初20000ベクレルだったセシウムの濃度が5000ベクレルまで減少したというのである。

ご存じのとおりセシウム137の半減期は約30年である。20000ベクレルの放射能が5000ベクレルまで減衰するには60年かかる計算である。EM活性液の散布によってそれが2か月で達成されたとすると、通常の自然壊変の360倍のスピードに相当する。

講演終了後に私は次のように質問した。「放射能が減衰したということはセシウム自体が消失したか、それが別の元素に転換したか、あるいは放射能を遮蔽するような化合物が形成された可能性が考えられるが、この点についてはどのように考えられますか?」

これについて比嘉教授は驚いたことに、元素転換の可能性も考えてかつてケルヴランの資料を調べたこともあったという。しかし今回の実験結果は量的な面からもその可能性は考えにくいという。むしろEM菌によるエネルギー転換作用によって放射性セシウムが安定したセシウムへと「蘇生」されたのではないかと回答された。

これはこれである意味特殊な元素転換と呼べるかもしれない。だがこの実験データで少し気になるのは、EMを散布していない対照区の放射能も散布区の数値とほぼ同じ下降線を描いていることである。これについて比嘉教授は隣接する散布区のEMの「波動」が影響したのではないかと述べるにとどまった。

対照区とEM散布区の格差が明確に示されていれば納得できるのだが、EMを散布していない対照区も放射能が減衰しているのは、何か他の要因が影響しているのではないかとも考えたくなる。このあたりをEMの「蘇生作用」、「シントロピー現象」と表現することには少し違和感を覚える。

ともあれこの実験についてはまだ中間報告の段階ということなので、最終的な分析結果に期待したいものである。

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2011/09/22

EM菌と生物学的元素転換(1)

Em05 9月17日、倉敷の芸文館で「善循環の輪-岡山県の集い」というイベントが開催された。これはEM菌を普及するNPO団体、地球環境・共生ネットワーク(Uネット)によって主催されたものである。そこでEM菌の開発者である比嘉照夫教授が講演されるということなので参加してきた。

Em07 比嘉教授とEMに関しては名を知るばかりで、その実態については全く知識がなかった。EM菌には元素転換を行なう能力があるという情報も得ていたが、具体的な実験データを見たことはなかったので詳しく調査するには至らなかった。そのためこの講演についてもあまり期待するところはなかったのだが、微生物関連ということなので後学のために参加してみようという軽い動機だった。ここでその講演内容をふまえ、EM菌について私なりにまとめてみたいと思う。

EMとはEffective Microorganismsの頭文字で「有用微生物群」を意味する言葉である。当初、このEMは土壌改良、病害虫抑制、有機物の分解、窒素固定、燐溶解など、農業に有用と思われる2000余種類の中から安全性が確認された5科10属81種の嫌気性・好気性微生物の混合体として培養されたのが始まりとされている。

1980年にこのプロトタイプが偶然の産物として完成したが、当時の常識としては同一溶液の中に嫌気性と好気性の微生物を共存させることは不可能とする見解が一般的で、ほとんどの専門家は懐疑的だったという。

現在EMに含まれる微生物は乳酸菌、酵母、光合成細菌の三つがメインであり、これらの共生関係によって単独ではもちえなかった機能性を発揮することができるという。その代表的な特徴が(1)抗酸化作用(2)非イオン化作用(3)三次元構造によるエネルギー転換作用とされている。

EMにおいてこれらの作用は相互に関連しており、金属や酸化物に電子を与えて安定化させたり、放射線や電磁波などの有害なエネルギーを立体的な分子構造によって成長に役立つエネルギーに変換する機能をそなえているという。

このような機能性において中心的な役割を果たしているのが光合成細菌ということだが、この細菌は単独では不安定であまり有効ではないが、乳酸菌や酵母との共生関係によって安定した作用を発揮するという。(このあたりは少しキエフ・グループのMCTと似ているかもしれない。)

そしてこのようなEMの機能性はエントロピーの増大とは逆の現象であり、比嘉教授はこれを微生物による「シントロピー現象」、そして「蘇生的作用」という言葉で表現している。

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2011/09/13

DNAとフリタージュ

以前に「MRETウォーターには細胞分裂を正常化する作用がある」と述べたことがある。細胞分裂の本質となるのは染色体に含まれるDNAの複製プロセスである。

DNAとはご存じのとおり、糖-燐酸鎖に四つの塩基、アデニン、グアニン、チミン、シトシンが相補的に結合して遺伝情報を形成し、全体的に二重螺旋の構造になっている。

この四つのヌクレオチドの配列によって遺伝コードが決定しているわけだが、これらは直接結合しているわけではない。アデニンとチミンのペア(AT)は二つの水素結合、グアニンとシトシンのペア(GC)は三つの水素結合でつながる形になっている。そして細胞分裂のときにDNAの二重螺旋がほどかれるときはこれらの水素結合が解離されるのである。

このようなヌクレオチドの相互作用にはその細胞内の水分やイオンの電気力学的特性とファンデルワールス力が関係しているが、水の誘電率や透磁率はそこに大きな影響を与えている。理論的にはヌクレオチドのエンドペアの帯電成分の反応に対してMRETウォーターは重要な役割を果たしているといえるだろう。

またヴィソツキー博士によると、DNAの主要分子は生体内で元素転換が生じる可能性の高い場所であるという。

DNAの二重螺旋はフリーラジカルや放射能によって損傷されることがあるが、一本鎖のダメージはリガーゼという酵素で修復される。しかし二本の鎖が断裂した場合は両者のヌクレオチドのエンドペアの種類や環境条件によってその修復プロセスはかなり複雑になる。

いくつかのパラメーターによって破断したエンドペア間にポテンシャル・バリアーが生じた場合、それは修復プロセスの阻害要因となる。これを解消するために生物はその環境パラメーターを調整し、短時間のあいだクーロン斥力を抑制するためにポテンシャルの形状を変化させる。このプロセスにおいてフリタージュに最適な量子ポテンシャルが形成されるのではないかと彼らは推測しているのである。

現段階ではあくまで作業仮説に過ぎないが、いずれ彼らはそれを証明する実証的な研究を進めていくに違いない。

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2011/09/02

MRETウォーターの消費期限

8月には新型MRETアクティベーターの注文が相ついだ。次第にその価値を理解される方が増えてきているようである。たしかに安くはない物だが、将来の健康を遺伝子レベルでプロテクトしてゆくという観点から考えると、必ず元がとれる有効な投資といえるだろう。

先日注文された方と電話でお話しする機会があったが、その際に「MRETウォーターの活性効果はどれくらい持続するのか?」という話になった。これについては一つの論文が参考資料として上げられる。

あまりにも専門的な内容なので小冊子『MRETウォーター』には収録していないが、キエフ・グループの論文の一つに「水の空間構造とウォーター・マトリックスにおける低エネルギー核反応の問題」というものがある。

MRETアクティベーターで活性処理された水分子はクラスレート・ハイドレート構造を形成するが、これは低周波電磁波のエネルギーが水分子の水素結合に吸収されるためである。吸収されるということは放出されることもありうるわけで、それは熱力学的パラメーター(正確には任意の温度におけるボルツマン分布)による解離作用という形で現れる。

わかりやすく例えると、磁石にくっついているクリップはその磁力で別のクリップと結びつくが、磁石を離すとその残留磁気は減衰してゆく。水分子の場合はそれほど急激ではないが、特に保存される温度によってクラスレート・ハイドレートの継続時間は以下のように変化する。

1℃-300日 10℃-49日 20℃-10日 30℃-58時間 36.6℃-24時間 40℃-15時間

したがってMRETウォーターの活性効果を維持するためには、活性処理後にすぐ使用するか冷蔵庫に保存したほうが良い。特に猛暑日が続く最近では常温下では24時間以内、冷蔵しても一週間以内に使用することが望ましいといえる。

ちなみに東南アジアのいくつかの国々ではMRETウォーターのペットボトルが製造・販売されている。これらの商品を現地で消費することは問題ないと思われるが、常温で輸送され、活性処理からかなり時間が経過している場合には、その活性効果かかなり低減している可能性もあるので注意が必要である。

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