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2011/03/23

不可視のメルトダウン

3月11日、私はドイツのレーベンベルグに荷物を送るために郵便局を訪れていた。受付の順番を待っているとテレビからニュース速報が流れてきた。「地震・・」 しかし私はあまり気にとめないまま郵便局を後にした。その後の推移はすでにご存じのとおりである。

日本人との付き合いはないのでさいわい変なチェーンメールが届くことはなかったが、海外からの反響は迅速だった。アメリカのジャックとブルース、ラトビアのエドアルド、そしてウクライナのヴィソツキー博士からも安否を気づかうメールが寄せられた。チェルノブイリを経験しているヴィソツキー博士には特に福島原発事故の状況について報告しておいた。

まだ時間はかかると思うが、原発事故の被害はおそらく終息に向かうと思われる。今回の事故について指摘すべき点はいくつかあるが、それは識者らしき人々に任せよう。

むしろ気になるのは今後のことである。今回の地震は宮城沖だけではなく、長野や茨城など各地にその余波が広がっている。阪神大震災を経験した人なら覚えているだろうが、実はその前後にも北海道南西沖地震のように各地で地震が頻発していた。

テレビの解説者はこれらをプレートの歪による余震と伝えているが、本当にそう言えるのだろうか。もしそうであれば震源地はプレートの境界に集中するはずである。

実のところプレートの境界が明確に確認されたことは一度もない。かつて東海大学の調査で第一鹿島海山がそうではないかと推測されたことがあったが、これも見かけの割れ目だと結論されている。プレート・テクトニクスは概念モデルとしては有効だが、きわめて実証性に乏しい都市伝説のようなものである。

そして地殻としてのプレートを動かしているのはマントル対流である。しかしながら地質学者の誰一人としてこのマントル物質を目にした者はなく、実際のマントルの動きは把握されていない。逆にいえばマントル対流の活動が不明だからこそ、薄っぺらなプレートの力学に頼らざるをえないのである。

はたしていまマントルの次元で何が起こっているのか。核弾頭の何百万倍ものエネルギーをもつその「炉心」がメルトダウンしているとしたら、それは原発事故のレベルではすまない事態が引き起こされるだろう。その意味で、この震災はまだ終わってはいないのである。

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2011/03/03

ムガールの黎明

2月6日から11日にかけてインドのチェンナイでICCF-16が開催された。またそれに続く2月15日はSRM大学でヴィソツキー博士による「生物学的元素転換-その研究の沿革と技術的応用」という講演が行なわれた。この講演はSRM大学の生物工学部とインド金属研究所のカルパッカム支部の協力の下に実現されたものである。またインド政府機関の関係者も参加したらしい。

講演の内容としてはおそらくこれまでのキエフ・グループの研究成果を踏襲したものであり、またSRM大学の学生を対象とした基本的な内容がメインにされたと思われる。その意味では新しい知見は示されなかったものと考えられるが、実際の反響はどうだったのか少し気になっていた。そこで今回のICCFとインドにおける講演の印象をヴィソツキー博士にメールで尋ねてみると、ほどなくして次のようなメールが返ってきた。

"Thank you for the message. ICCF-16 conference was very interesting. There were many discussions related Rossi's experiments.

Before ICCF-16 was "Tutorial school", where I have reported both thory and experiments on bio-transmutation. On 14th and 16th Feb, there were two additional workshops on the same subject in different institutions.

Especially big was workshop at SRM university where I presented 3 reports ! There were several hundreds scientists and students participated to my presentation. The interest to this subject in India is very large.

My last presentation of activated water was held in a medical center in Chennai.Totally I had presented 10 reports in this conferences in India."

ICCF自体はA・ロッシによる常温核融合の実験で盛況だった模様である。また博士の講演には数百人規模の聴講者が参加し、大きな反響を呼んだとのことである。さらにヴィソツキー博士はチェンナイのメディカルセンターでMRETウォーターに関するプレゼンテーションも行なったらしい。

それぞれの論文の内容はICCFを含めていずれ明らかになってくるだろうが、やはり現地でその空気を実感したかったという思いは強く残っている。

いずれインドは第二の中国になるといわれているが、それは間違っている。世界中の国々が巨大市場の利権を求めてインドに参入しようとしているのだ。私たちが長年築き上げてきたものを彼らはいともたやすく手に入れるだろう。やがて高度にハイテク化されたムガール帝国が南アジアのサイクロンとなって赤いドラゴンを飲み込んでいくに違いない。そのとき凋落した日本は実に惨めな老体をさらけ出していることだろう。

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