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2011/02/22

第三の「賢者の石」

今から5~6年前のことになるが、ソマチットの研究をしているという方から『生物学的元素転換』のご注文を頂いた。その時に初めてソマチットについて知ったわけだが、それはバクテリアよりも小さい極小の生命体で、循環的な分裂サイクルをもち、また塩酸や放射能に強い抵抗力を持つものだという。そしてその当時はなかったと思うが、今ではソマチットを含有する健康食品も販売されている。

試しにその一つを入手して継続的に服用したところ、少しずつではあるがリウマチの症状が緩和されたのが感じられた。聞くところによるとソマチットは体の各部の細胞に入り込み、ミトコンドリアのような役割を果たすという。もしかすると免疫機能の正常化にも有効なのかもしれない。

現在は表立った活動をしていないようだが、日本ソマチット学会ではソマチットが元素転換を生じたり、DNAを作り出す能力があると記していた。私の本が役に立ったのかどうかは定かではないが、もしそれを示唆する研究があるのであれば興味深い。

これまで生体内のフリタージュ反応のメカニズムについて論じた研究者は多くいるが、それではその反応が具体的にどこで生じているのかを示したものは数少ない。

ケルヴランの理論では、酵素の活性部位で基質となる有機分子に含まれる元素が転換反応を起こすとされていた。またキエフ・グループの見解では、必須元素と代替可能な金属イオンが細胞の輸送系において必要となる元素に転換するものと考えられている。しかし、もし広範囲な生存領域をもつソマチットがフリタージュ反応をになう実体であるとすれば、これまでの見方を大きく変えるものとなるだろう。

はたしてソマチットが本当にそのような「賢者の石」なのかどうか、今後の実験的検証に期待したいものである。

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2011/02/08

預言と光明

前回はS・P・フェイレ博士の研究を紹介したが、キエフ・グループの研究とは少し異なるアプローチであることは理解できるだろう。もちろん両者の実験手順に差異はあるが、そこには何か共通するものがあるのかもしれない。それをフリタージュの文脈から読み解いていくことが今後の課題の一つとなるだろう。

Block_image_5_1_5 一方、キエフ・グループの研究もゆくゆくは包括的な形で検討されなくてはならない。その基本資料となるのは2003年に公刊された『生体系による同位体の元素転換と核融合』である。

この著作についてはHPでも紹介しているが、ロシア語と英語のバイリンガルで7章構成になっている。参考までに各章のタイトルを以下に記載しておく。

第1章 序文

第2章 生体系における元素転換の研究の歴史と問題点

第3章 同位体の存在比と生体系による変動

第4章 微生物組織による元素転換に関する実験的研究

第5章 生体系による常温下の元素転換プロセスの物理的解釈

第6章 生体系の元素転換プロセスにおいて重要な生化学的要素

第7章 生体系の元素転換プロセスを実用化する方法論の検討

この著作の翻訳自体はすでに第6章に入っている。しかしながらこの著作をそのまま公開することはないだろう。

誤解のないように言い添えておくが、まず第一にこの著作は生物学的元素転換の謎を解明したものではない。むしろこの奥深い研究テーマについて独自のアプローチから問題を提起した研究書だということはわきまえておいて頂きたい。

それゆえこの著作を翻訳すれば全てが明るみになり、新しい技術的応用が可能になると考えることは実に楽天的なものの見方である。

特に第4章で取り扱われている実験的アプローチには、いまだ未解明の問題が含まれており、それについては今後の研究の継続が必要とされている。また第5章で展開されているマイクロ・ポテンシャルホールというフリタージュの量子論的メカニズムはあくまで現段階における作業仮説である。

その意味でこの著作は私たちに新たな命題を突きつける、いわば彼らの「預言」なのである。

今後はこの著作だけではなく、彼らの他の論文、そしてMRET,RMMといった技術との関連性を踏まえた上で、包括的な資料の構築を検討したいと考えている。

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