フォートヒル培養菌
フリタージュ三部作が完成した今、次に目指すべきはケルヴラン以降のフリタージュ研究である。その中心となるのはやはりキエフ・グループの研究になるだろうが、元素転換説を検証しようとしているのは彼らばかりではない。数は少ないが他にも地道な研究を進めている人物がいる。
その実例として2002年にフォートヒル培養菌を使用した実験を行なったS・P・フェイレ博士とN・レイターを取り上げてみたい。彼らの研究については以下のサイトにその一部が紹介されている。
http://research.whnlive.com/BiologicalFusion/
それによると彼らはフォートヒル培養菌と呼ばれる微生物をトリウムやウランなどの放射性元素を含む培養基で繁殖させ、その放射能の変化を測定したところ予想外の変動が観察されたという。またEDSアナライザーによる成分分析を行なった結果、説明しがたい生成物も見出されたようである。
2002年9月に行なわれた最初の実験では、豆乳ベースの培養基にトリウム化合物が添加され、ガイガーカウンターでその放射能が測定されているが、実験開始から3時間後に放射能は上昇しはじめ、36時間後には当初の2倍のレベルに達したという。そのピークの後には少しずつ減衰していったことがグラフで示されている。またEDSによる解析では当初含まれていなかったレニウムやビスマス、タングステンなどのピークが現われたことが報告されている。
このフォートヒル培養菌は偶然発見されたアスコマイセト・ジャイロミトラの一種と考えられているので、キエフ・グループが使用している放射能耐性菌などではなく、おそらく子のう菌の一種であろう。またトリウムは通常トリウム系列と呼ばれる壊変作用を生じるので、これほど短時間にこのような重金属を生成することはまずありえないと思われる。
フェイレ博士は元素転換の可能性についてはきわめて慎重な姿勢を示しているが、それ以外に示唆されている解釈も明確には検証されていない。
もちろん彼らの実験はキエフ・グループのものとは様々な相違点があるので一概に比較はできないが、もしかするとそこには私たちがまだ把握していない相互作用の本質が存在しているのかもしれない。
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