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2010/10/25

Course on Biological Transmutations

常温核融合に関する国際会議ICCF-16が来年の2月にインドで開催される。ヴィソツキー博士もこの会議に参加し、最新の研究成果を報告する模様だが、それとは別に<Course on Biological Transmutations>と題する特別講演も予定されている。

http://www.iscmns.org/iccf16/course_on_transmutation.htm

これは2011年2月15日にチェンナイ郊外にあるSRM大学で行なわれるもので、ICCF-16とは別個に、ヴィソツキー博士がこれまでの研究と生物学的元素転換の概略を含めて講演する予定になっている。

昨年の10月にリプリントされたキエフ・グループの著作もインドのペンタゴン・ハウスから出版されており、経済成長著しいインドでは特に放射性廃棄物の処理問題に関連して彼らの研究が注目されているようである。

昨年来日したときの博士との会話が思い出されるが、アメリカのような古大陸の楯状地であれば地層埋設処分も理解できるが、地質学的に4つのプレートに囲まれた地震や火山も多く国土の狭い日本でなせ同じ方式を強引に進めようとするのか理解に苦しむ。たかだか300mの埋設処分場がはたして放射能の減衰する数百年から数千年、あるいはそれ以上の期間、何の問題も生じることなく維持できると本気で考えているのだろうか。

政治家や官僚は地層埋設処分のリスク・マネジメントについてどこまで真剣に考えているのか疑問である。もし埋設処分場が地震災害等によって甚大な被害を受け、その放射能が地下水を汚染して拡散したら、それはもはや原発事故のレベルでは済まされない。あらゆる生命の遺伝子が壊滅的なダメージを受け、動植物は奇形化し、それを口にした人間はガンや白血病を発症して苦しみながら死んでゆく。そしてその苦しみは罪のない子孫にも受け継がれていくのである。

地層埋設処分という政策は、臭いものに蓋をしてあとは誰も責任をとらないという役人の体質を如実に示している。そこには原発と同じように自治体に金を握らせればよいという姿勢が見え隠れする。その政策自体を変えられないのであれば、せめてそこに放射能を減衰させるキエフ・グループのMCT技術を導入してもらいたいものである。

いま私たちが成すべきことは目先のことで折り合いをつけることではない。未来の地球に禍根を残さないように行動を起こすことである。その意味でも今後のキエフ・グループの活動には注目していかなければならない。

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2010/10/12

フリタージュの光

『地質学における微量エネルギー元素転換』を補完する目的でGシューベルの1973年の論文の翻訳も行なっているが、その中に興味深い資料が収録されている。それは1908年にシベリアで起こった「ツングースカ爆発」に関するものである。

ツングースカ爆発は1908年6月30日にロシアのツングースカ川流域で大爆発が生じ、その衝撃波が世界中に伝わったというものである。しかしその爆発の原因については様々な説がある。一般には小型の隕石が上空8kmで空中爆発したものとされているが、落下途中で進路が変わったという目撃情報もあり、UFOが核爆発を起こしたという説もあるそうである。

しかし隕石が落下したケースとは異なり、ツングースカではクレーターや落下物の残骸は確認されておらず、爆発地点の針葉樹が発火して放射状になぎ倒されていただけだったという。また放射能も検出されなかったらしい。

もっともロシアの鉱物学者L・クーリックが初めて現地調査を行なったのは1927年のことで、遅きに失した感は否めない。だが隕石が落下していないにも関らず、周辺の土壌からは丸いガラス状の粒子が発見されたという。これはおそらくクレーターの周囲に見られるテクタイトやインパクタイトと同じ種類の生成物と考えられる。

Oct12157 G・シューベルがツングースカ爆発に関心を抱いたのは、隕石の落下による高温・高圧の状態が生み出されなかったにも関らず、同じような生成物が見出されたという点にあったようである。そして1962年のK・P・フロレンスキーによるガラス状物質の分布図を引用して「これらは疑いなくR.N.N.T.(自然核反応)によって生成されたものである」と述べている。

はたして1908年6月30日、極北の空に人々はフリタージュの光を見たのだろうか。

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