地質現象と核反応
ケルヴランの7冊目の著作を翻訳した『微量エネルギー元素転換の地質学と物理学における証明』が完売して久しい。すでに数人の方からご予約頂いているが、現在はそのオンデマンド版として『地質学における微量エネルギー元素転換』の制作を進めている。
基本的な内容は前作とほぼ同一だが、新たに全体を校正した上で図表やグラフも再作成し、より理解しやすいものに仕上げるための作業を進めている。今年は『生物学的元素転換』の新版を完成させたので、リリースは来春以降になる予定である。
この著作においてケルヴランはその内容の多くを地質学者G・シューベルからの資料や情報に依存している。したがって本書ではケルヴランよりもむしろG・シューベルの視点が重要なキーポイントになっている。
G・シューベルに関しては『フリタージュの真実』にもたびたび登場しているが、ケルヴランが元素転換説を公表する以前の1952年に「花崗岩化作用と原子核物理学」という論文の中で珪酸岩が花崗岩に相転移するという<原子核パリンジェネシス仮説>を提唱している。
もっともそれ以前に地質現象と核反応の関連性を検討した科学者がいなかったわけではない。J・ネツリンは1940年に「火山活動と核化学」という論文を公表し、N・エフレモフは1948年にあらゆる鉱物元素がマグネシウムから派生したという大胆な仮説を提唱している。
またG・シューベルの兄のB・シューベルも同じ地質学者としてこの問題に着目し、地質時代の変遷を通じてマグネシウムがアルミニウムに変化したのではないかと述べている。ジョルジュ・シューベルの原子核パリンジェネシス仮説はこのような兄のボリス・シューベルの所説からも影響を受けているようである。
やがてそれはケルヴランとの共同実験を経てR.N.N.T.(自然核反応)という独創的な概念につながっていくわけだが、『地質学における微量エネルギー元素転換』においてはそのあたりの文脈まで照準をすえたいと考えている。
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