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2010/04/27

錬金術師の道程

『生物学的元素転換』の在庫は残り4冊となっている。今月もいくつかご注文を頂いたので、おそらく夏場までには完売してしまうかもしれない。もし購入を検討されている方がおられるならお早めにというところである。

現在頒布している第7刷は2年前の夏に制作したものである。そのときは何冊か予約注文を受けていたので、できるだけ早く制作したのだが、今回完売した後には少し時間をかけて内容の再検討を行ないたいと考えている。

もっとも前回制作したときにもかなり大幅な改訂を行なっている。それまでに収録していた第9章以降を全てカットし、新たに「錬金術師の道程」というタイトルの下にケルヴランの研究の沿革を概略的にまとめた一章を追加した。この章には若き日のケルヴランの画像や彼が発明した抵抗測定回路「ケルヴラン・ブリッジ」を収録しているが、これは『フリタージュの真実』が完成したことによるところが大きい。

『生物学的元素転換』が入門書なら『フリタージュの真実』は専門書に相当する。同じ主題を扱っているので内容の重複はある程度仕方ないが、それぞれの役割を踏まえた上でフリタージュ研究の多様な側面を網羅したものにしたいと考えている。その意味で「錬金術師の道程」を含む改訂は両者をスムーズにつなぐステップのようなものといえるだろう。

今回の改訂は特別大きなものになることはないかもしれないが、記述された内容をより理解しやすいものにするための補足は必要になるだろう。今のところ新版制作の予定は未定だが、それでも少しずつ完成度を高めていきたいと考えている。

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2010/04/15

人工知能とフリタージュ

週末のTV番組に「ターミネーターSCC」というものがあり、私もたまに視聴している。映画シリーズとの整合性はよくわからないが、SF作品というより次第に心理サスペンスドラマの様相を呈しているように思われる。そしてその中には<ターク>と呼ばれるチェスをするコンピューターや人工知能(AI)の研究がスカイネット台頭への伏線として登場する。

今後の展開はどうなるのかわからないが、機械が知性をもつプロセスとしてもう少しリアリティーを追求してもらいたいというのが私の感想である。そこで自分なりに考えてみたのだが、MCTを機械のインターフェイスとして利用してみるのはどうだろう。

Apr1577 ヴィソツキー博士のMCTの研究については『フリタージュの真実』でも紹介しているが、多種多様な微生物の共生組織であるMCTは温度やpH、培養条件の変化に対応して特定の微生物が活性化し、組織全体の共生化作用を実現している。あたかもイルカが右脳と左脳を使い分けるように外的な条件によって最適なプログラムを解凍し、必要となるアプリケーションを起動するようなものである。

MCTはミツバチやアリのように種属全体が生存する目的をもった一つの知性といえるのかもしれない。このような共生組織は外部からの刺激に応じて最適な選択反応を生じる。その最たるものがフリタージュ反応である。

たとえばMRETのような特定の電磁波をMCTに与えると、それに適応する微生物が活性化して代謝活動を行なうことになる。それを一つの信号として抽出することができたときに微生物が必要とする栄養分を与えると、一つの知性である共生組織はそれを「学習」することができるのではないだろうか。

すなわち外部からの刺激とそれによる微生物の反応をインプット・アウトプットとしてMCTに「機械言語」を覚えさせることができれば、自己増殖できる回路としてメカニズムに組み込むことも可能になるかもしれない。

これはもしかするといま流行の脳科学者たちからは否定されるかもしれない。「高度な脳機能がない生物はパブロフの犬にはならない」と。しかし現代の脳科学の定説に奇妙な違和感を覚えるのは私だけだろうか。

微生物の共生組織がメカニズムの回路の中に組み込まれ、休眠・活性化・自己増殖を自律的に行なえるようになったとき、はじめて人工知能と呼べるものの覚醒といえるのかもしれない。

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2010/04/06

マルセイユ・コネクション

今年の2月中旬のことだが、フランスの物理学者J・P・ビベリアン博士からメールが届いた。ビベリアン博士は常温核融合の研究者だが、そのプロフィールを紹介する動画サイトを知らせる内容だった。以前に閲覧したその動画はすでに削除されたようだが、個人的に新しいサイトを開設した模様である。

http://www.jeanpaulbiberian.net

このサイトの<Recherche>を開くと、その中に<Transmutations Biologiques>というタイトルで生物学的元素転換の研究の沿革が紹介されている。各章のタイトルは以下のとおりである。

(1)元素転換とは何か?(2)研究の沿革(3)生物学的元素転換を示す実験(4)現代の研究状況(5)生物学的元素転換の可能性(6)理論的問題

これらの内容については人名などをキーワードにしてみていくとある程度の概要は理解できるし、またその多くはケルヴランの『生物学的元素転換』の記述を踏襲しているので、あえて解説する必要はないだろう。ただしいくつか注目すべき点もある。

ビベリアン博士はキエフ・グループの研究を知っており、自らもオート麦や海洋微生物を使用して元素転換説を検証する実験を行なっている。そして微生物を使用した実験ではカルシウムの増加が観察され、種子の発芽では水銀・鉛・パラジウムといった重金属が減少したと報告している。

これらはいずれも微量の変動なのでその検証作業は現在も継続中とのことだが、もしこれが事実であればMCTとは別個の反応形式とも考えられる。その意味においては今後も注目していく必要があるだろう。

ビベリアン博士とケルヴランとの関係としてひとつ気になる点がある。『フリタージュの真実』のP.94にはケルヴランを「マルセイユ大学の教授」として紹介する資料が掲載されているが、ビベリアン博士もマルセイユ大学の研究者なのである。するとケルヴランとビベリアン博士はマルセイユ大学で何らかの接点をもっていた可能性もある。

ただしケルヴランがマルセイユ大学に在籍していたことを証明する資料は今のところ存在しない。彼の著作や論文にマルセイユ大学は一切出てこないのである。もしかするとマルセイユ大学に何らかの足跡が残されているのかもしれないが、これに関しては全く謎のままである。

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