« 2009年12月 | トップページ | 2010年2月 »

2010/01/28

フリタージュ50周年

今年はケルヴランが元素転換説を公表してちょうど半世紀に当たる年である。フリタージュに関する彼の最初の論考「異常な代謝収支と生物学的元素転換」は『レヴュー・ゼネラル・ド・シアンセ』の1960年7-8月号に掲載されている。

Jan2624_2 私はこの論文のコピーをデータベース業者から入手し、その翻訳を『フリタージュの真実』に収録している。だが最近になってこの文献の原書をフランスの古書店から入手することができた。B5版より少し小さい76ページの雑誌だが、ケルヴランの論文は巻頭から14ページにわたって掲載されている。

ケルヴランはJ・ロンバールの要請によってこの論文を1959年末に出版社に渡したそうだが、発行上の都合によってその掲載が遅くなったそうである。そのためケルヴラン自身は元素転換説の確立された年を1959年と捉えていた。しかし文献的に確認できる資料としてはこれが最初のものなので、1960年を起点と考えても誤りではないだろう。

この『レヴュー・ゼネラル・ド・シアンセ』は『シアンセ・エ・ヴィ』のような通俗的な科学雑誌ではなく、フランス科学振興協会の機関紙の役割も果たしていた。ちなみにこの団体はフランスの高名な生理学者クロード・ベルナールによって創設されたもので、現在も存続している。少し調べてみると比較的簡単にこの組織のサイトを見つけることができた。(http://www.avancement-sciences.org/)

この雑誌の巻末にはフランス科学振興協会の活動に関する記述があるが、ケルヴランに関連するような人物の名前は見当たらなかった。しかし1968年の『レヴュー・ゼネラル・ド・シアンセ』にケルヴランの著作への書評を寄稿したR・フロンがアフリカの鉱産資源に関する報告を行なっていることが確認できた。もしかするとJ・ロンバールの依頼を受けたR・フロンがケルヴランの論文公表を取り計らったのかもしれない。

フリタージュ50周年といってもことさらの企画を構想しているわけではないが、その半世紀の歴史をいま一度検証する機会として捉えたいと考えている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010/01/22

歴史語るもの

異端とされる研究を一人続けていくうちに、自然と人付き合いもなくなっていった。今年は年賀状が二枚だったが、昨年は親戚が喪中だったので年賀状をもらうことはなかった。自分の家が喪中でもないのに年賀状が届かない人間というのも珍しいと思う。おそらくこの記録は破られることはないだろうと自負している。

そんな閑散とした正月を毎年迎えているわけだが、久しぶりに新年の挨拶のメールが届いた。送り主はフランスのレオン・ゲゲンである。

レオン・ゲゲンはフランス農学アカデミー第5部会の会長であり、1970年代にケルヴランと激しい論争を繰り広げた人物である。数年前に私は偶然の重なりから彼と出会い、今なお「ケルヴラン事件」として語り継がれているアカデミーでの論争について様々な事実を教えてもらった。そしてその成果として『フリタージュの真実』は完成したのである。

もし彼と出会うことがなければ『フリタージュの真実』に示された内容は全て歴史の闇に埋没し、単なるケルヴランに関する資料集となっていたことだろう。ゲゲンはときに激しい口調で「あなたがケルヴランの信者なら、これ以上話すことは何もない!」と述べたが、そのたびに私はこの問題を客観的に検討する姿勢を強調してきた。

ある意味で彼との議論は厳しいものだったが、それ以上に当事者としての貴重な証言を得ることができた。私たちの関係は微妙な部分があったが、それでも私は彼の協力には感謝している。

ゲゲンのメールには送ったポストカードへの感謝の言葉が綴られていた。そして彼は今なお第5部会の会長を務め、いくつかの論文を公表しているという。

またどこから情報を得たのか、彼は「日本では農業を100%有機農業に転換する法案が準備されていると聞いたが、これは本当か?」と尋ねてきた。私はその情報はおそらく誤っていると伝え、現在の食品偽装の問題などを伝えておいた。

<異端審問>の時代を知るアカデミーの人間も、もはやレオン・ゲゲンその人だけである。人こそまさにその歴史といえるだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010/01/15

MRETウォーターの抗ガン作用

現代ではガンは病気による死因の上位に位置づけられており、医学的には化学療法や外科手術、放射線治療など、その克服のための様々なアプローチが進められている。そのような知識がある人々は「ガンに対する予防・治療効果をもつ活性水」と聞くと、すぐさま営利目的の水商売という印象を抱くに違いない。だが、もしそこに少しでもプラスになる要素があるなら、話だけでも聞いてみるのはいかがだろうか。

MRETウォーターについてこれまでに出版された著作の中には、その抗ガン作用を示すいくつかの実験が公表されている。

たとえばアメリカのP・ペツォリ博士は、ガン細胞(HeLa)を通常の培養基とMRETで活性化した培養基で24時間培養する実験を行なっているが、通常の培養基によるガン細胞の増加率が133%であったのに対し、MRETで活性処理した培養基での増加率は66%に過ぎなかったという。要するにMRETの培養基はガン細胞の増殖を半分程度に抑えたことになる。

またMRETに関する最新作『活性水の応用生物物理学』によると、いくつかのグループに分けたBALB/cマウスに異なる処理時間の活性水を与える実験が行なわれている。

それによると、「予防処理」グループには2週間MRETウォーターを与えた後にエールリッヒガン細胞を接種し、その後3週間MRETウォーターを与えたという。また「治療処理」グループにはガン細胞を接種したあとの3週間にのみMRETウォーターを与えて比較している。

その結果、接種されたガン細胞の成長は「予防処理」グループで76%、「治療処理」グループでは55%抑制されたそうである。

もちろんこれはマウス実験のレベルであり、ガンや腫瘍にも様々な種類があるので、短絡的な結論は控えるべきだろう。おそらくMRETウォーターの細胞分裂への影響によるものと考えられるが、それについても今後の研究による検証が必要である。

だが、もしそこに現代医学が見落としている大きな可能性があるなら、難病に苦しんでいる人々にとって光明となるものが見出せるかもしれない。そしてこれらの実験において注目すべきことは、MRETウォーターにはガン細胞を抑制する予防効果があるという点である。

テレビをつけると嫌というほどガン保険のCMが流されている。リスク・マネジメントとしてそうした保険に入るのも結構だが、それ以前にガン発症を予防する対策としてMRETウォーターを活用する方がはるかに先見の明がある選択と思われるのである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010/01/08

過去との訣別

昨年の年末のことだが、意外な人物からメールが届いた。それはドイツのヘルムートである。

ヘルムートはドイツでケルヴランのサイトを制作しているが、『フリタージュの真実』の英訳ファイルを3月末に送信してから連絡は途絶えていた。

ヘルムートは最初のファイルと二番目のファイルは送信してきたが、それ以降チェックしたファイルを送ることはなかったので、私は完全に諦めていた。9ヶ月間も全く連絡してこなかったからである。

ところがヘルムートは謝罪の言葉とともに英文ファイルのチェックを再開したいと伝えてきた。そして、あろうことか英語版が完成した暁には自分もコメントを載せたいなどとのたまわってきた。

これまでに私が送った三つのファイルはいずれも4ページ程度のものである。それをまともに校正することもできず、長期間放置しておきながらそのような言葉を口にする態度には、さすがの私も憤りを隠すことができなかった。

どんな職場にも使えない人間はいるが、扱いに苦労するものである。私は彼に次のように返信しておいた。

「君に私の英文ファイルをチェックする時間があるとは思えない。なぜなら私はいまだに君に送った三番目のファイルを受け取っていないからだ。私は今年ヴィソツキー博士と会い、彼らの研究について直接コンタクトをとっている。だから、もはや君と話すことは何もない。」

その後しばらくしてヘルムートは校正した三つ目のファイルを送ってきた。しかし私はそれらを彼のメールとともに全て消去した。

たとえ共同作業を再開したとしても、おそらくヘルムートは同じ過ちを違う形で繰り返すことだろう。人の信頼をたやすく裏切るような軽薄な人間とつきあうつもりはない。

高いレベルの仕事をしようと思うなら低レベルの人間とは付き合わないことである。余計な絵の具は色を濁すだけだ。

今年からはこのような形で不必要なものをそぎ落としていくことも重要になるだろう。 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年12月 | トップページ | 2010年2月 »