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2009/04/27

ガイアグリッド・モデル

V・B・ネイマンとケルヴランの研究について現代のロシアでどのような関心をもたれているかを調べるために、キリル文字でネイマンとケルヴランの名を検索してみた。
いくつかのロシア語のサイトが見つかり、その中にはコールド・フュージョンと絡めてケルヴランに言及しているものもあったが、特筆すべき内容のようには思えなかった。

そのような検索作業の中で一つの気になるサイトが見つかった。B・ハーゲンスという人の「ミッション・イグニッション」というサイトである。
このサイトの記事の一つに「プラネタリーグリッド:クリス・バード」というものがある。(http://www.missionignition.info/bethe/planetgrid_chrisbird1975.php/)
これは地球全体をめぐるエネルギー回路として一定の格子状パターンが存在するという仮説である。

Planetgrid_chrisbird1975_clip_image この学説は三人のロシア人科学者が提唱したものとして、ケルヴランについても言及している『謎のカタカムナ文明』にも紹介されていたことを私は思い出した。おそらく著者の阿基米得氏はこの1975年の記事を翻訳家に依頼して翻訳し、著書に収録したものと思われる。

ちなみにこの記事の作者のクリス・バードとは『植物の神秘生活』(工作舎)の著者のクリストファー・バードであり、ケルヴランにも強い関心を抱いていたジャーナリストである。
まだ詳しく読み込んでいないので、彼がどのような関心を抱いてこの学説を紹介したのかは不明だが、ケルヴランやネイマンの名前も引用されており、特にネイマンはこの学説に強い関心を示していたようである。

地球全体にこのようなエネルギー的回路が存在するという仮説はこれが最初ではないらしい。だが明確なモデルとして確立されたものとしてはよく知られているようなので、ここでは便宜的にそれを「ガイアグリッド・モデル」と呼ぶことにする。

ご存知の方もおられると思うが、このガイアグリッド・モデル以外にも類似した概念は数多く存在する。有名なものではレイ・ラインと呼ばれるものがあり、古代遺跡やメンヒルなどの建造地点やいわゆるパワー・スポットなどと関連をもつものとして知られている。風水や竜脈などの概念もそれに近いものだろう。
また九星気学では「祐気取り」というものがある。これは特定の時間に特定の方位に旅行することで「気」を吸収し、運勢を高めるという方法論らしい。

このような観点から見ると、それが地球全体のエネルギー・ネットワークとして存在する可能性も考えられる。
フリタージュとの関連は今のところ不明だが、ガボンのオクロにある「天然原子炉」がこのエネルギー・パターンと関連しているという主張は興味深い。V・B・ネイマンは地質学における微量エネルギー元素転換とこのガイアグリッド・モデルが何らかのエネルギー的な関連をもつ可能性を視野に入れていたのかもしれない。

このガイアグリッド・モデルのパターンには様々な要素を当てはめることができるだろう。しかし無前提なその適用は超科学の好きなオタクの「研究ごっこ」にしかならないだろう。

自分の運気を上げるために風水や祐気取りに夢中になるような人々は、目先の損得だけで右往左往している人間と変わりはない。それはそれで結構だが、私たちはより深いエネルギー・レベルでの地球像を探究するためにこのような学説を新たな次元からとらえ返す必要があるのだろう。

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2009/04/17

地球の進化とフリタージュ

E・アスタフィーバの著作の中にはケルヴランの研究とともにV・B・ネイマンの所説が引用されている。
V・B・ネイマンは「微量エネルギー元素転換の地質学と物理学における証明」の中でも引用されているが、コロルコフとともに地質学におけるフリタージュ現象に注目した科学者である。彼が元素転換説に関心を抱いたきっかけはおそらくG・シューベルとの交流が発端と思われる。

私たち日本人にとってはフランス語もロシア語も発音しにくい言語であるが、フランス人にとってはロシア語は比較的なじみやすいらしい。ロシア語の堪能なG・シューベルはモスクワでたびたび講演を行ない、ケルヴランの元素転換説をソビエト時代の科学者たちに伝導する役割を担っていた。

また、あまり知られていない学説ではあるが、プレート・テクトニクスとは別の視点として地球膨張論というものがある。日本でも牛来正夫氏という地質学者が参加している「地球膨張論学会(EEE:Earth Expansion Exchange)」という団体が現在も活動しているが、この学会の創設メンバーとしてもG・シューベルとV・B・ネイマンが関わっているのである。(http://www.expanding-earth.org/)

ネイマンはその中で地球の元素の進化段階として Li7>N14>Si28>Fe56>Cd112>Ra224 という倍数系列が軸となっているという見解を表明しており、アスタフィーバによると、ネイマンは鉄分を含む珪酸岩によって生じている地磁気の異常をその実例として上げているという。

1970年代にアルメニアで出版されたネイマンの論文集にはその辺りのことが詳しく書かれているようだが、残念ながらその著作は今のところ見つかっていない。しかし地質学の観点から元素転換説を捉え返そうとするネイマンの見解は興味深く思われる。

ちなみに、彼のいうところの元素の倍数系列はケルヴランの著作には掲載されておらず、ネイマン独自の作業仮説のようである。アスタフィーバの著作にはメールアドレスが示されていたので、ロシアの研究状況について尋ねたメールを送ってみたのだが今のところ返信は届いていない。

いずれロシア語の古書店のネットワークなどが判明すればネイマンの著作も探してみたいと考えている。やがて彼らが地球膨張論とフリタージュをどのように組み合わせた地球像を抱いていたのか、明らかになる日が訪れるかもしれない。

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2009/04/08

似て非なる未来

先日『微量エネルギー元素転換の地質学と物理学における証明」の注文が入り完売となったので、頒布を中止させて頂くことにした。今後の再販はいまのところ未定である。
このケルヴランの7冊目の著作はかなり専門性の高い内容となっている。それにも関らずこれまでご注文頂いた方には改めて感謝を申し上げたい。

この翻訳書は私製本として制作していたが、今後再販する機会があれば「生物学的元素転換」のようにオンデマンド化したいと考えている。
すでにテキストと図表はWORD化してあるが、これをそのまま制作にかけることは考えていない。
この翻訳書を完成させてからすでに3年余りが経過したわけだが、その間にも私は様々な資料や文献を収集し、現在もなおその翻訳を継続している。それらの完成を見た後で、新しい形での再制作を進めていきたいと考えている。

思えば私たちの日常生活は、ほぼ毎日同じことの繰り返しがほとんどである。同じように起き、同じように食べ、同じように学び、同じように働く。。もちろん安定した生活のリズムとしては必要なことなのだが、ある面では単調な作業の繰り返しであり、怠惰な生活習慣の温床と化していることも事実ではある。
変化と刺激に富んだ毎日も大変かもしれないが、たとえば同じ食事を食べるにしてもスパイスぐらいは変えてみてもいいのかもしれない。

私も実のところ同じような生活を繰り返しているわけだが、似たようなことを行なうにしても少し工夫を加えることは心がけている。そうすると作業の順番を変えるだけで効率的になることに気づく場合もある。
日々の単調な生活を大きく変化させることはなかなか難しいが、ほんの少し角度を変えていくという気持ちは大切だと思う。時間が経つにつれてそれが大きな変化を導くきっかけになることはおわかりだろう。

現在行なっているいくつかの翻訳や調査も非常に単調なものであり、ある意味では忍耐を強いられる作業である。しかし、それがどのような変化を最終的にもたらすものかを私は『生物学的元素転換』や『フリタージュの真実」の制作を通して知っている。だからこそ日々の単調さに耐えることもできるのである。

山登りの99%は自分の足下を見つめて汗を流しながら歩くことである。頂上にたどり着いた達成感や爽快感はほんの一瞬に過ぎない。だが、日々の一歩一歩を大切にすることのできる人間だけがたどり着ける世界がある。

いずれ『微量エネルギー元素転換』も全く新しい内容の著作として変化していくに違いない。私の中のゆるぎない確信がその遠い未来を現実のものにしてくれることだろう。

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