ガイアグリッド・モデル
V・B・ネイマンとケルヴランの研究について現代のロシアでどのような関心をもたれているかを調べるために、キリル文字でネイマンとケルヴランの名を検索してみた。
いくつかのロシア語のサイトが見つかり、その中にはコールド・フュージョンと絡めてケルヴランに言及しているものもあったが、特筆すべき内容のようには思えなかった。
そのような検索作業の中で一つの気になるサイトが見つかった。B・ハーゲンスという人の「ミッション・イグニッション」というサイトである。
このサイトの記事の一つに「プラネタリーグリッド:クリス・バード」というものがある。(http://www.missionignition.info/bethe/planetgrid_chrisbird1975.php/)
これは地球全体をめぐるエネルギー回路として一定の格子状パターンが存在するという仮説である。
この学説は三人のロシア人科学者が提唱したものとして、ケルヴランについても言及している『謎のカタカムナ文明』にも紹介されていたことを私は思い出した。おそらく著者の阿基米得氏はこの1975年の記事を翻訳家に依頼して翻訳し、著書に収録したものと思われる。
ちなみにこの記事の作者のクリス・バードとは『植物の神秘生活』(工作舎)の著者のクリストファー・バードであり、ケルヴランにも強い関心を抱いていたジャーナリストである。
まだ詳しく読み込んでいないので、彼がどのような関心を抱いてこの学説を紹介したのかは不明だが、ケルヴランやネイマンの名前も引用されており、特にネイマンはこの学説に強い関心を示していたようである。
地球全体にこのようなエネルギー的回路が存在するという仮説はこれが最初ではないらしい。だが明確なモデルとして確立されたものとしてはよく知られているようなので、ここでは便宜的にそれを「ガイアグリッド・モデル」と呼ぶことにする。
ご存知の方もおられると思うが、このガイアグリッド・モデル以外にも類似した概念は数多く存在する。有名なものではレイ・ラインと呼ばれるものがあり、古代遺跡やメンヒルなどの建造地点やいわゆるパワー・スポットなどと関連をもつものとして知られている。風水や竜脈などの概念もそれに近いものだろう。
また九星気学では「祐気取り」というものがある。これは特定の時間に特定の方位に旅行することで「気」を吸収し、運勢を高めるという方法論らしい。
このような観点から見ると、それが地球全体のエネルギー・ネットワークとして存在する可能性も考えられる。
フリタージュとの関連は今のところ不明だが、ガボンのオクロにある「天然原子炉」がこのエネルギー・パターンと関連しているという主張は興味深い。V・B・ネイマンは地質学における微量エネルギー元素転換とこのガイアグリッド・モデルが何らかのエネルギー的な関連をもつ可能性を視野に入れていたのかもしれない。
このガイアグリッド・モデルのパターンには様々な要素を当てはめることができるだろう。しかし無前提なその適用は超科学の好きなオタクの「研究ごっこ」にしかならないだろう。
自分の運気を上げるために風水や祐気取りに夢中になるような人々は、目先の損得だけで右往左往している人間と変わりはない。それはそれで結構だが、私たちはより深いエネルギー・レベルでの地球像を探究するためにこのような学説を新たな次元からとらえ返す必要があるのだろう。
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