カオス・コスモス・レゾナンス(4)
1971年、A・シモネトンは『食物の放射エネルギー』という著作を公表している。この著作はケルヴランの1966年の著作を出版したル・キュリエ・ド・リーヴルから出されており、ケルヴランはこのシモネトンの著作に6ページに及ぶ序文を寄せている。どうやらケルヴランはシモネトンのいう放射スペクトルがフリタージュとも何らかの関連をもっているのではないかと考えていたようである。
このシモネトンの所説については『植物の神秘生活』(工作舎)にも若干触れられているが、彼はA・ボビスの振り子を使用したビオメトレという測定方法から様々な食物の放射エネルギーを調べたという。
左がその図だが、基本的には振り子を南北に揺らしてそこから対象となるものを近づけたときに変化する角度によって放射エネルギー値を確定するという方法である。
振り子というと怪しげな占いじみたものにも聞こえるが、スピリチュアル系でいうところのフーチとかペンデュラムというものに近いようである。ただし、そうしたもののほとんどがスピリチュアルな使われ方をするのに対し、シモネトンはあくまで科学的測定方法として確立しようとしていたらしい。つまり考え方としてはダウジング・ロッドに近いといえるだろう。
ダウジングは水脈を探知するために使用されてきたものだが、その具体的な原理についてはいくつか説があるらしい。ただし、水脈の上に来るとロッドが開くという事実は認められている。シモネトンはこのダウジング・ロッドを振り子に置き換え、さらに細かい動きを相対的に数値化することによって放射スペクトル理論を体系化していったようである。
彼の著作の中には水やワインの放射エネルギーやホメオパシーのレメディーのスペクトルなどが示されており、なかなか興味深いものがある。またある個所にはレマール・ブーシェ法で使用されていたカルマゴルの放射エネルギーが5500~6500オングストロームであると記されているが、この辺りはケルヴランから示唆を受けていたのではないだろうか。
このようなシモネトンの所説は興味深いものだが、振り子を使用した彼の測定方法には科学的根拠がないために疑似科学の烙印を押されているようである。もちろんその方法論には問題点もあると思うが、現代であればまた別のアプローチも可能なのではないだろうか?
これまで食事内容は栄養学における成分バランスで語られ、料理はプロの技術と方法論に依存する傾向が強かったが、食物に固有の波動が存在することを認識するのであれば、それらに全く新しい展望が開かれることも考えられる。
そして私たちは、様々な波動を自分で選択して吸収・放射する存在にいずれは進化するのかもしれない。
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