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2008/04/23

カオス・コスモス・レゾナンス(3)

波動的存在の共振作用によってカオス的現象が生じるという考え方は様々な現象に当てはめることができる。その一つにホメオパシーを上げることができる。

ベルギーの生理学者E・プリスニエは1966年に「あなたの健康を保とう」という著作を出版し、ケルヴランに序文を寄稿してもらっているが、その中でプリスニエ博士はホメオパシーの作用メカニズムにフリタージュが関与していることを示唆している。
ホメオパシーについて私は学生の頃から知ってはいたが、まさか自分がそのレメディーの世話になろうとは思わなかった。しかし確かに症状に対する明確な効果は感じられる。

そのホメオパシーの作用機序についてはこれまでに量子力学的な見解まで提示されているが、統一的な見解はいまだにないようである。ただし、興味深い仮説が一つある。
それはレメディーに対する生体の共振作用がデトックス効果を生じるというものである。

水などの溶媒に非常に高い希釈率で溶解されたレメディーは生理学的な効果をほとんどもたないレベルである。だが、稀釈震盪されたレメディーの波動的特徴がある種の信号として生体に働きかけ、体内に沈みこんでいる同じ波動的要素と共振して浮かび上がらせる。それが一種のデトックス効果として症状を固定化していた状態を改善していくのではないかというのである。そのように考えると、症状と同じ作用をもたらす物質をレメディーに使用することも納得がいく。

この共振デトックス仮説を無前提に元素転換と結びつけることには慎重でなくてはならないが、一つの可能な解釈としては大変興味深いものである。ただしホメオパシーはいまだにホメオパスと呼ばれる専門家が患者の症状を観察して、それに合いそうなレメディーを処方するといったきわめて原始的なレベルで行なわれている。
その患者の健康な波動にどのような病的ノイズが混入しているのかを正確に把握した上で、その病的ノイズを排除するために最も効果的なレメディーを自動的に決定することができるというレベルにまでは至っていない。共振デトックス仮説が実証されうるものなら、その波動的観点からこれまでのホメオパシーの体系を再構築する必要があるだろう。

そのために役立つと思われる興味深い研究がある。それはケルヴランとも関連をもつA・シモネトンの放射スペクトル理論である。次回はこれについて述べてみたい。

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2008/04/18

カオス・コスモス・レゾナンス(2)

太陽系の惑星に軌道共振という現象が存在することは前回述べた通りだが、視覚的に分かりやすい例としては土星の輪を上げることができる。
土星の輪にはいくつかの隙間がある。その中で最大のものは「カシニの隙間」と呼ばれている。そしていくつかの隙間によって土星の輪は分割されている。

これらの隙間は偶然に形成されたものではない。それは土星の各衛星の軌道運動と環を形成する粒子が共振しているためである。土星の衛星にはミマス・ヤヌス・エンケラズスなどがあるが、それらの公転周期を調べてみると興味深いことに一定の比率になっているのである。いわば音階でいうところの基音・和音・倍音の関係をそこに見ることができるといえる。

このように太陽系の惑星には共振関係によって一定の調和が保たれているといえるのだが、前回例示したように木星と小惑星の共振がカオス的現象を生じることもある。
こうした関係をそのまま原子核内の核子の作用に置き換えることはできないかもしれないが、陽子や電子だけではなくいくつかの素粒子が結合したアルファ粒子なども一つの波動的存在と捉えることができる。そのために原子壊変ではアルファ粒子が原子核の外部に出てくることができるのである。

そのように考えると、ケルヴランが示唆した核子クラスターにもそれぞれ固有の波動関数とそのパラメーターが適用される可能性もあるのかもしれない。たとえるなら木星と小惑星との共振作用のように、メインとなる核子クラスターと結合・分離する水素・酸素などの核子クラスターがカオス的共振を生じることによって、軌道を外れた小惑星のように通常は起こりえない反応をもたらす場合があるのではないだろうか。

かつては隕石が落ちる現象を非科学的だとして認めなかった時代があるらしい。現代ではそれを信じている私たちも天空から燃える石が落ちてくるのを目撃した人間は稀である。もしかするとフリタージュにもそのような図式は当てはまるのかもしれない。

太陽系の天体は規則正しい軌道運動を描いているというコスモス的世界観に対して、小惑星のかけらが地球の軌道に入り込むというカオス的現象は受け入れがたいものである。そしてそれを実際に目撃した人間はほとんどいない。
しかし流星を長期的に観察していくと、そこには流星群という一定の傾向と輻射点を中心に放射状に流れる特徴があることが判明している。

フリタージュを継続的に研究していたバランジェやツンデルなどにはそこに一定の傾向が見られたにも関らず、単発的に発芽実験を追試しただけの研究者にはそれを見出すことができなかった。それは夜空を一定時間見上げても流星が流れなかったので、隕石など存在しないという論理に等しいものだろう。ましてやそこに天体の軌道共振によるカオス的運動が生じるなど考えられないことに違いない。おそらくそこにフリタージュ研究の歴史的問題点があるといえるのだろう。

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2008/04/11

カオス・コスモス・レゾナンス

レオン・ゲゲンに『フリタージュの真実』を送付してしばらくたった頃に、ゲゲンからメールが送られてきた。
それは著作の寄贈に感謝の意を示すとともに、これまでの議論を通じて最終的に私がどのような結論を下したのかを知りたいというものだった。
それに対して私は、この著作において目ざしたものが何であるかを彼に伝え、読者に対して断定的な結論を押しつけるつもりはないことを彼に伝えた。
ケルヴランの研究に対する今の私の見解は、彼の論文を農学アカデミーに紹介したH・ノエルアンに近いものといえるかもしれない。だが、私にはフリタージュのメカニズムに関して独自の仮説を考えている。これについて少しその見解を披瀝していきたいと思う。

私たちは学校教育で、物質には粒子性と波動性の両方があると教わった。しかし素粒子の反応を考えるとき、私たちはそのほとんどを物質的な粒子としてとらえている。
だがたとえば量子的トンネル効果を考えるとき、これは核子の波動性を考慮しないわけにはいかない。私たちは粒子であり波動でもある量子的存在について現象論的に偏った捉え方をしているといえるだろう。

この粒子性と波動性という概念は素粒子のような極微の存在だけではなく、天文学的現象にも当てはめることができる。たとえばその一つに「軌道共振」というものがある。
軌道共振とは一定の軌道を公転している惑星や衛星が別の軌道運動をしている天体と力学的な共振作用を生じる現象のことである。たとえば月は常に地球に対して同じ面を向けているが、これは地球に対する月の公転と自転がほぼ一致しているからである。
だが月はそのような自転・公転運動を最初からしていたわけではない。地球の軌道運動に対して長い年月をかけて共振し続けることによって現在のような安定した衛星軌道を描くようになったのである。

このような共振作用は太陽系の中でも様々な形で見出されている。月の場合の軌道共振は自転と公転の比率が1:1だが、水星の自転・公転の比率は3:2になっている。これは水星が太陽と共振していることを示すものである。
また火星と木星の間には無数の小惑星体が存在するが、これらの小惑星は無秩序に散在しているのではなく、テューレ群、ヒルダ群などのいくつかのグループになっている。これらのグループは木星との軌道共振によって形成されており、それぞれの軌道半径は木星の公転軌道と一定の比率を示すものになっているのである。そしてこの共振作用によってカオス的運動を強いられた小惑星の破片は軌道を外れて内惑星の領域に接近する。それが地球の大気圏に突入すると流れ星として観察されるのである。

天体の軌道共振がフリタージュと何の関係があるのか分かりにくくなったかもしれない。
要するに各天体は粒子的存在といえるが、その軌道運動はある種の波動として捉え返すことも可能なはずである。
それでは原子核が一つの太陽系と考えてみるとどうだろう?  そして固有の波動関数をもつ核子クラスターが相互に共振してカオス的反応を生じるとしたら・・・。

この続きは次回に改めて考えることにしよう。

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2008/04/04

新たな旅の行方

「フリタージュの真実」は申し込まれた方に随時発送させて頂いたが、その内容に関しては様々な感想があることだろう。それはケルヴランの研究に対して、その人が何を求めているかによって変わってくる。
本書の内容はある意味ではケルヴランに対する批判的なものになっているが、私がこの本において目ざしたものはその研究の真偽を問うことよりも先の方にある。

それについてはまだ読まれていない方もおられるので、あまり多くを語るべきではないかもしれない。一つだけ強調しておきたいことは、本書の内容の全てに関して私は文献的な証拠を提示することができるという点である。
これは海外のサイトでケルヴランに関する情報を得ようとしたとき、そのほとんど全てがケルヴランの著作からの引用とそれに対する恣意的かつ極私的な解釈を織りまぜたものであることを見れば、格段の違いを示すものといえるだろう。

その意味で私は重要な仕事をなしえたと自負しているし、今後これを超える著作を作ることはおそらく困難なものと考えている。そしてこれからのフリタージュ活動は、ケルヴランとは少し距離を置いたものになるかもしれない。

具体的なその目標はまだ明確にはなっていないが、おそらくヴィソツキー博士を始めとする現代のフリタージュ研究に焦点を当てていくことになるだろう。またスミルノフ博士のMRETについても調査を進めていくことを考えている。
MRETに関してはフリタージュと直接関連がないように思われるかもしれないが、少なくとも彼らはMRETとMCTの間に原理的共通性を見出しているようであり、それを示唆する論文も入手している。
これについてはさらに調査を進めていく必要があるが、もしかするとMRETウォーターの様々な病気に対する効能は元素転換と何らかの関連をもっているのかもしれない。

これからの旅の行方についてあまり多くを語ることはできないが、その終局にはあの錬金術師が再び姿を現すことになる可能性も否定はできないと考えている。

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