« 2008年1月 | トップページ | 2008年3月 »

2008/02/29

季節の節目に

先日『フリタージュの真実』の完成品100部が無事に到着した。さすがにこれまでに制作してきた私製本よりは格段に良い仕上がりになったといえる。ただ、今回の著作にはケルヴランの原書にもないカラーページも盛りこんだため、制作コストはかなりかかった。しかし私個人としては満足のいく仕事ができたと考えている。

大げさな言い方かもしれないが、これで私の人間としての仕事は終わったという感覚さえ覚える。私たちが日常行なっている仕事はほとんどが形として残らないものが多い。しかし、この本は21世紀におけるフリタージュ研究の大きな原点になるものと自負する次第である。

来月にはこれまでケルヴランの翻訳書を購入された方にご紹介のDMをお送りしたいと考えているが、その前にやるべきことがある。それは、今回の著作に大きく貢献してくれた「シーザーの獅子」への報告である。

すでに連絡が途絶えて久しいが、私は新しい著作を2冊フランスに発送した。一つはレオン・ゲゲンに、もう一つはフランス農学アカデミーへ寄贈するためにである。返事があるかどうかは定かではないが、これが彼の信頼に対する私の答えともいえるだろう。

「約束は果たしたぞ、ゲゲン。」心の中でひとつの区切りをつけるように私は呟いていた。遠い異国の地にこの想いが伝わるだろうか。

そしてまた、翻訳した論文の掲載を快く許可してくれたヴィソツキー博士にも一冊送ろうと考えている。ゲゲンにしろヴィソツキー博士にしろ、この著作の内容を読むことはほとんどできないだろう。合理的に考えれば無駄な行為である。だが、彼らの信頼に対してはしかるべきリスペクトを示すべきだと私は考えている。

今後、ケルヴランに関する著作を制作することはまず考えられない。それはケルヴランについての翻訳や調査を中止するということではないが、むしろこの新しい著作の英語版やフランス語版の制作出版を目ざすべきだろう。

今はまだこれからの新しい展開については決められないが、生まれたばかりのこの著作がその運命とともに私を導いてくれるのではないかと考えている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/02/22

「真実」への道

外注先から2冊目のサンプルが届いた。修正個所も確認できたので新しい形式で制作を依頼した。順調に進めば来月上旬にはリリース可能になるだろう。

すでにご予約頂いた方もおられるが、関心をお持ちの方はまだ判断に迷う部分があるかもしれない。そこで簡単なDMを制作してみたので、ご覧になりたい方はメールでご一報いただきたい。折り返しメールにDMのファイルを添付してお送りしたいと思う。

『フリタージュの真実』はこれまでのようなケルヴランの翻訳書ではなく、私自身の著作という位置付けであることは以前にも記したが、おそらくこれがケルヴランに関する最初で最後の著作となるだろう。それはまた、世界最高レベルの特殊研究文献でもある。

ちなみに、これまで多くの日本人がケルヴランの名を上げて様々なことを述べてきたが、この著作には日本人は一切登場しない。強いていえば筆者である私だけである。

これまでにケルヴランに言及した日本人の主張についてはそれぞれに様々な問題点がある。多くの人はそれについて無前提に受け入れているだけのようだが、私が調査した部分に限っても数々の矛盾点が見出されるのである。

だが、私はそのような人々の無責任な発言やそれを盲信する人々をもはや非難しようとは思わない。私はたどり着いたのである。このしかるべき場所に。そして、ここから目にすることのできる揺るぎない真実を伝えることしかできない。それこそがケルヴランの研究に対するあらゆる妄説への根底的な批判に他ならない。

また『フリタージュの真実』の関連文献には日本語の文献はいっさい含まれていない。そして本書を読み終えた方は、これまで日本人によって取りざたされてきた話が全くの枝葉末節に過ぎないものであることを深く悟るに違いない。

私は、この真実を多くの人々と分かちあいたいとは思わない。たとえそれを望んだとしても、現実とは常に人の理想を裏切るものである。現代人の多くは価値を価格でしか判断できないもののようだが、真実に値札はいらない。その価値を本当に理解できるものだけが受け継いでいけばよいのである。

その本質的な価値を見きわめられる真の知性をもつ方に、この一書を捧げたいと願うものである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/02/15

『フリタージュの真実』先行予約

Feb15105 『フリタージュの真実』の外注先から見本誌が届いた。フリタージュ・ブックスにそのイメージをアップしたので関心をお持ちの方はご覧頂きたい。

少し修正を加える必要もあるが、基本的には制作に問題はない。今月末当たりには完成品を目にすることができると思う。予定としては来月からリリースを開始したい。

仕様はB5版176ページで頒布価格は5250円(税込)+冊子小包送料290円の合計5540円を予定している。ただし、皆さんの中には早く読みたいという方もおられるだろう。そこで特別価格で先行予約を受け付けたいと思う。

今月末までに先行予約される方には予価5540円のところを4800円(税・送料込)で頒布させて頂こうと思う。ご希望の方はご住所・お名前を明記の上、注文用の振替用紙をメール等でご請求いただきたい。これはこのブログをご覧になられた方だけの特典である。

来月上旬のリリース時にはこれまでご購入頂いた方にDMをお送りしたいと思う。先行予約された方には(現在未完成のため)DMはお送りできないが、本書の内容等に関してご質問があれば遠慮なくして頂きたい。ただし先行予約を申し込まれても来月15日までにお振込みのない場合は、それ以降は正規の価格でお受けすることになることをご了承いただきたい。

ちなみに初回100部限定であり、継続的に制作できるかどうかは今回の頒布状況次第なので未定である。そのため、ご注文が遅い場合はお断りする可能性もあることをご承知頂きたい。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2008/02/08

新作の完成

いよいよである。
最終チェックも完了し、作品としての『フリタージュの真実』は完成した。
この週末には入稿データとしての体裁を整え、来週には外注制作の交渉に入る予定である。

今回の著作には画像や図表が多く、そのチェックは大変だった。背景を飛ばすものとそうでないものがあり、ディスプレイ上では問題のないものも印刷してみるとバックが残っている場合もある。
これまでの翻訳書のように自分で制作するのであれば微調整もできるが、外注の場合はできるだけ完成度を高め、細かい指示を出す必要がある。
画像に理想を求めていくときりはないが、実際にプリントアウトしてコントラストなどを調整し、最終的に満足できるレベルに仕上がったと言える。

この著作の内容に関して具体的に説明することは難しい。映画でもそうだが、見所は知らせたいもののストーリーを詳しく教えるのは作法に反する。まだ観ていない人もクライマックスやラストシーンを教えられることは望まないだろう。

これまでに生物学的元素転換について著作や記事の中で断片的に取り上げた人は数知れない。だが、ケルヴランの研究の全貌について一冊の著作として網羅したものは世界でも初めてだろう。

この著作にはケルヴランの初期の論文から最後の著作までがその研究の沿革とともに記されているが、その全てを収録しているわけではない。
たとえば『レヴュー・ド・バトロジー・カペレ』に掲載された2本の論文は、農学アカデミーに報告されたものとほぼ同じ内容なので今回の著作に入れていない。またケルヴランが1971年に国際会議で公表した論文は、私が翻訳した73年の著作の内容とほぼ同一なのでカットしてある。その意味では過去の翻訳書ともできるかぎり内容の重複を避けた構成になっている。

世間では同じネタを焼き直して飯の種にしている人間がいるものだが、はっきり言ってそれはあまりにも情けない行為である。似たような本ならあえて新しく作る必要はない。私はそのような無駄なことは嫌いである。

この本の中で私が最も気に入っている個所を一つ紹介しておこう。それは「枢機卿」ステファーヌ・エニンがケルヴランに対する批判を行なった「エニン報告」である。その冒頭には次のように記されている。

「今年の2月25日、わがアカデミーはケルヴラン氏のいくつかの異常な収支に関する論文の公表に耳を傾けた。その主題について意見交換が行なわれた結果、物理化学部門(第5部会)から出席したメンバー全員の反対があったにも関らず、様々な理由によって彼の論文はわがアカデミーの会議報告書に掲載されたのである。その決定に至ったいくつかの原因を検討し、反対者としての理由を指摘することは私には有益に思われた。そしてこの提言によって同様の紛糾が繰り返されないことを願う次第である・・・。」

そしてS・エニンは農学アカデミーの存在理由から語り起こし、ケルヴランに対する攻撃を繰り返している。この批判的提言は錬金術師に対する徹底した弾圧の始まりでもあるが、同時に農学アカデミーの重鎮としての彼の言葉の重みには一目置かざるをえないものがある。

この著作はケルヴランの研究に対して、あまりにも偏った考えをもつ人には刺激が強いかもしれない。
また、いわゆる超科学マニアとか「擬似科学を批判的に楽しむ」などといった方にはお読みいただく必要はない。
そのような方々は巷の書店でよりふさわしい本が入手できるからである。そしてそういう人が興味本位で本書を手にしたとしても農学アカデミーの議論などについてゆけず、結局自分にとって都合のよい結論を導くことは目に見えている。

いずれその完成した姿を目にすることができるだろうが、私はこの問題について真剣に問いを深めようとする方だけに今回の著作をお読みいただきたいと願う次第である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年1月 | トップページ | 2008年3月 »