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2007/07/23

『生物学的元素転換』の完成

すでにお気づきの方もおられるだろうが、ようやく『生物学的元素転換』第6刷が完成した。今回も全体に校正してあるが、内容的にはそれほど大きな変更点はない。ただ、表紙は今回も新しいものにしてある。

Jul17_41 今回の表紙は私が大学生のときに買った『生物学的元素転換』の表紙から採用した。ビークマンではすでに新しい表紙に変更しているので問題はないと思う。私にとっては少し懐かしい感じのするイメージである。そしてもう一つの大きな変更点は表紙と裏表紙をラミネート加工にしたところである。

実は以前に『生物学的元素転換』をご購入いただいた方から「表紙が傷みやすいので電子書籍にしてほしい」というご要望があった。『生物学的元素転換』には図表やグラフなどが20点以上もあるので、電子書籍化はすぐには難しいと思ったが、表紙が傷むほど読みこんで下さる方がおられるのはありがたい話である。

ご存知のとおり、ケルヴランの翻訳書は私製本として制作している。市販されている紙の中でできるだけ良いものを選んでいるつもりだが、このご指摘があって私もいろいろと検討してみた。たとえば表紙に紙にではなくフィルムを使ってみてはどうかと考えたが、フィルムには印字があまりうまく定着しないという問題があり、またB5版のフィルムがほとんどないことから断念した。

それ以降できるだけ紙厚の高い紙を表紙に使ってきたが、紙厚が高くなれば当然コピーやプリンターに通りにくくなるので一定の限界がある。そこで今回新たな試みとしてラミネート加工をしてみることにしたのである。このラミネート加工も厚みや温度の関係から白濁したり波状になる場合もあり、作業にはけっこう気を使うが、まずまずのレベルで製本化することに成功した。

ちなみに糊を溶かして製本する家庭用製本機というしろものがあるが、あれで糊綴じをしたものは数年もたたずバラバラになる。あれを使って製本したテキストを売っている団体もあるが、そんなことに気づかないのか、配慮の足りないことだと思う。

その意味では市販の糸綴じまではいかないがホチキス止めの方がまだ強度があると思う。私製本では糊綴じよりもむしろその方が望ましいかもしれない。

今回のラミネート加工はなかなか手間がかかるが、おそらくコーティングされたソフトカバーの本より強度はあると思われる。私製本の制作としてはこのあたりが妥協点かもしれない。

本当はラミネートフィルムと加工代金を商品価格に反映させたいところだが、『生物学的元素転換』はフリタージュの入門書という役割がある。それをこれ以上値上げすることは実に心苦しいので、価格は従来通りとさせていただく。

市販本に比べて、それでも高い印象を持たれるのはやむをえないが、この翻訳書をきっかけに何か新しい視点をつかんで頂ければ苦労して作った甲斐があるというものである。

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