月とフリタージュ
以前に「新月の木」」というものに触れたことがある。新月の時期に伐採した木は満月のときに伐採した木より割れにくく、カビも付きにくいという話である。
新月の木国際協会(http://www.shingetsuno-ki.jp/)によると、新月期に伐採した木は含有されている澱粉の消失が早く、そのためにカビが付きにくいらしい。では、なぜそうなるのかについてはまだ明確ではないという。
実はケルヴランも植物に対する月の影響には関心を抱いていた。1968年の著作にはR・ハウシュカの実験が紹介されているが、それによると月の周期に合わせて発芽させたクレソンの種子では、燐酸とカリウムが月の位相に対して相対的な変動を示しているという。
このハウシュカの実験についてケルヴランは元素転換の可能性は明言していない。だが、宇宙線やニュートリノとフリタージュとの関連を検討する以前に月の影響について関心をもっていたことは確かなようである。
その証拠に70年代に行なったオート麦の発芽実験では、月の位相に合わせた形で発芽処理を行ない、カルシウム含有量の変動をグラフにしている。この実験についてはそれに関して特別な記述はないが、ケルヴランには何らかの意図があったのだろう。
これまで月と生物との関係は潮汐作用に基づく水分代謝のような限定的なレベルで捉えられてきた。しかし、もし月の位相とフリタージュが何らかの関連をもっているとすれば、新月の木の謎にも新たなアプローチが可能になるのではないだろうか。
月明かりに響く潮騒が生命の浜辺に打ち上げたものは、美しい貝殻のような賢者の石なのかもしれない。
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