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2007/05/18

Savants Maudits

QRMさんから教えて頂いたP・ランスの”Savants Maudits”という著作が届いた。日本語に訳せば『マッド・サイエンティスト』というところだろう。似たようなテーマの著作はブルーバックスなどにもあったように思う。

May18_22 この著書はN・テスラやP・カンメラーなど異色の科学者の評伝の形式になっており、最終章にケルヴランに関する記述も収録されている。

まだ簡単に目を通した程度なので詳しい内容については定かではないが、ケルヴランの著作も全てリストアップされているので、著者はひと通りそれらに目を通しているのだろうと思う。特にケルヴランの著作や記事から引用されている部分には見覚えのあるものがほとんどで、基本的にはそれらの内容を踏襲したものになっているのだろう。

ただ気になるのは、常温核融合の研究者の名前や歴史上の錬金術師についても記されているところである。私としてはケルヴランの研究をそれらと比定することも興味深いとは思うのだが、いったんは切りわけて考えるべきだと思っている。

そしてもう一つ、P・ランスはフランス人と思われるが、フランス人ならではの切り口がもう少しあってよいのではないだろうか。たとえばケルヴランの著作を読んでいるのであれば、当然農学アカデミーでの議論についても少しは知っていると思うのだが、それに関する調査はまったく行なっていないように思われる。そして当時のレマール・ブーシェ法などと元素転換との関連についても記述があってしかるべきところである。

この著作がいわゆるマッド・サイエンティストに関する評伝として構成されていることは理解できるが、図や写真もなく文章だけなのは少し読みづらい。その点はもう少し配慮があってもよかったと思う。

ひとつ興味深く思えたのは、かつてケルヴランの記事が掲載された『シアンセ・エ・ヴィ』に著者が記事を書いているらしいことである。入手可能ならいずれ読んでみたいと思う。

ランスのようにいまだにケルヴランに関心を持っている人物は少なからずいるようである。A・マクリーンやJ・ブースケットなどもそれに類する記事を書いているが、ケルヴランをネタにしているような印象を受けるので、あまり読む気にならない。ただ、彼らがどのような観点から元素転換の意義を捉えかえそうとしているのか、それについては注目してしかるべきであろう。

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コメント

私なんて読んでもいないので、何を申し上げてもおこがましい限りなんですが...
ランス爺はいろいろ幅広く書いてる見たいなので、各項目の専門家から見るとひょっとして詰めが甘いのかも。 ERE NOUVELLE っていう雑誌も主宰されてますが、とどのつまり、エコロジストですね。MRET に興味あったりして。

あっ、思い出しましたが、その ERE NOUVELLE に投稿してた読者のなかに、元 INRA の研究者がいて、何でも若い頃に、千島学説よろしく、細胞分裂なんて嘘っぱちだぁ、っと論文書いて、INRA を追い出されただけでなく、一切のアカデミックな機関から締め出されたそうです。(わたしは、千島学説関連については、山谷省三さんとか言う方のサイトで知りました。つまりインターネットの聞きかじりなので、元INRAから、そんな重要なことをどうして知っているのか、とか詰め寄られたときには、学の無いわたしとしては、ちょっと恥ずかしかったです。)

っとまぁ、なるほど SAVANTS MAUDITS って言うのは、どんな分野でも、いつの時代でも人々の心を掴むなにかがあるようです。

投稿: qrm | 2007/05/25 01:38

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