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2007/05/07

フリタージュ・テクトニクス

世間ではゴールデンウィークだったようだが、体調も思わしくなく後半は天候も下り坂だったので、あまりゴールデンとはいえない休暇だった。

そのおかげともいえるが、ケルヴランへの反証実験が提示されたエニン報告のオペをようやく完成させることができた。ただし、農学アカデミーにおける全体的な流れを踏まえたうえで再度内容を確認すべきではあろう。

May07_20 ところで少し前に入手した資料にH・カンベフォールの『地質工学入門』という著作がある。この著作は日本では少しなじみのない地質工学に関するものだが、その中にケルヴランの元素転換説が4ページほど取り上げられている。

地殻を構成する元素のことをローレル数ともいうが、酸素・珪素といった存在量の多い元素についても元素転換の可能性に関する記述が見られる。たとえば地球の形成段階において、大気に含まれる窒素が珪酸塩鉱物の珪素に転換した可能性も考えられるだろう。

そしてもう一つ気になるのは、この著作の表紙に見られる大陸のパズル合わせである。これはプレート・テクトニクスにおける大陸どうしの整合性を示すものとしてよく用いられるものだが、私にはふと気づいたことがあった。

ケルヴランを支持した初期の地質学者にB・シューベルがいるが、彼は南米のフランス領ギアナで先カンブリア系の地質を調査していた。そして先カンブリア紀から現代に至るまでに岩石の鉱物に含まれるマグネシウムが「指数関数的に」アルミニウムと交代していることを指摘している。

一方アフリカのガボン共和国では、シューベルらの後続のフランス調査チームが「天然原子炉」を発見している。これは非常に偶然的な条件が整って、太古の地球では天然の核反応が生じていた証拠とされている。

この大陸のパズル合わせを見ると、B・シューベルが岩石の組成変動を報告した南米のギアナと「天然原子炉」で知られるガボンは、奇妙な一致ではあるがいわゆるプレート境界に近い位置に存在しているのである。

プレート・テクトニクスと地球化学が接点をもつ領域といえば火山活動かそれによる火成岩の形成にとどまる。しかし、もしプレートの境界で高まった地殻内部の造構的応力が周囲の岩体に元素転換を促す作用を与えていたとしたらどうだろう。これまでの地球化学、あるいは変成岩岩石学による解釈は大きく変わってくるのではないだろうか。

ケルヴラン自身はプレート論についてフリタージュの文脈で述べているところはない。しかし1973年の著作には、高圧プレス機を使用した微量エネルギー元素転換の実験を公表している。そしてこの実験に協力したG・シューベル(B・シューベルの弟)は、後に隕石の落下によって形成されたテクタイトやインパクタイトといった鉱物が元素転換によるものではないかと述べているのである。

生物学的元素転換と比較して、地質学における元素転換の研究はほとんど手付かずのまま残されている。しかし、そこには私たちが見過ごしている何か重要な手がかりが残されているような気がしてならないのである。

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