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2006/12/14

甦る真実

「異端審問」の翻訳も終盤を迎え、錬金術師の最終弁論に入りつつある。今年の3月から翻訳を始めているが、完成するのは来年の2月になるだろう。そうしてみると異常に長い論争に思える。

このフランス農学アカデミーで討議されている実験は『生物学的元素転換』にも収録されているロブスターの実験である。しかし様々な資料を調べてみたが、この実験が実施された期間についての明確な情報は今のところ不明である。

1966年に出版された『生物学的元素転換』が1971年に英訳されたときに収録されていることから、66年から71年の間であることは間違いない。そして「異端審問」は70年2月だから、さらにそれ以前ということになる。

また、この実験に関してはケルヴランの68年の著作、そして70年の著作にも引用されている。ということは、66年から68年にかけてというように絞りこめる。しかしそれ以上の情報は今のところつかめていない。この間にケルヴランは別の実験を農学アカデミーに報告しているが、その前後関係についてはいまだ確定しがたいところである。

68年と70年の著作に含まれる記述は「異端審問」に提示されている実験の概要であり、大きく変わるところはない。しかし、「異端審問」以後の1975年に出版された『微量エネルギー元素転換の生物学における証明』を調べてみると興味深い記述が見つかった。

それによると、意外なことにこのロブスターの実験は二期に分けて実施されたという。一期目の実験は67年から68年にかけて、そして二期目の実験は68年から69年にかけて行われたというのである。その記述を詳しく調べていくと、これまでの実験とは見覚えのない数値が目に入った。「もしかするとこれは・・。」

68~69年の二期目の実験が70年2月の「異端審問」に提示された実験とすると、67~68年にかけて行なわれた一期目の実験は1969年1月のデスター報告で公表されたものかもしれない。すると、この数値はデスター報告の断片ではないだろうか。

これまでは「異端審問」以前の著作である68年や70年の著作ばかりを調べていたが、75年の著作になんとデスター報告の実験データが記載されていたのである。

デスター報告でどのような論争が行なわれたかは不明だが、少なくとも完全に闇に葬られたと思われていた実験データが残っていた。今後「異端審問」の記述との整合性を確認しなくてはならないが、これは論争の背景を物語る大きな発見といえるものだろう。

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