« 2006年10月 | トップページ | 2006年12月 »

2006/11/30

MRETアクティベーター

2005年にヴィソツキー博士はコルニロバ博士、スミルノフ博士との共著として『活性水の生物物理学概論』を公表している。この著作は彼らの共同研究の成果といえるものだが、その研究に使用された活性水は2000年の2月にアメリカの特許を取得したスミルノフ博士の研究に基づくもののようである。

I・V・スミルノフ博士は、もともとロシアのセントペテルスブルグ大学で細胞組織に対する電磁波の作用に関する研究を行なっていたらしい。そして分子共鳴効果技術(MRET:Molecular Resonance Effect Technology)というテクノロジーを開発し、それを水分子の活性作用に応用したものが特許として承認されたという。

そして博士はアメリカに渡り、現在その特許技術に基づく製品開発を行なう会社、グローバル・クォンテック社(http://www.gqusa.com/)を設立し、活性水を作るMRETアクティベーターやMRETシールドの製造・販売を行なっている。

MRETアクティベーターはすでにアメリカのみならず、韓国、台湾、中国、タイ、シンガポールなどアジア各国にも代理店が設立されている。しかし日本にはまだ拠点がないので、輸入販売してくれる会社を探してほしいと私の方に依頼があった。

スミルノフ博士からMRETに関する様々な資料や論文をこれまで送付してもらっているが、それに基づくと、このアクティベーターで活性化されたMRETウォーターは驚くべき性質をもつものらしい。細胞に対する同化性は3~6倍に向上し、金属を入れて放置しても腐食しない抗酸化作用をもつという。さらにMRETアクティベーターで活性化したミルクは一週間たっても腐敗しないというデータが出されている。そればかりではない。ガンや白血病、エイズやアルツハイマーに対する薬理作用を増強させる効果まで臨床データとして提示しているのである。

しかし、ともあれ資料や論文だけでは仕方がないと思ったので、そのMRETアクティベーターをスミルノフ博士に依頼して送ってもらった。関心をもつ企業に対するプレゼンテーションにも必要だし、何よりその効果を自分で確かめないことには話にならないからである。

そして昨日届いたのが、以下のような商品である。

Mret1_p1_2

このMRETアクティベーターは、フリタージュの研究をしている私から見ても何やら怪しげな装置に見える。どこにでもあるようなボトルの上部に発振装置となるコアパーツが取り付けられ、それが電源アダプターとつながっているだけである。

そしてこの中に水やワイン、牛乳などの飲み物を入れてアダプターをコンセントに入れると、上部の赤いダイオードが明滅しはじめ、30分たつと活性処理が完了するという。コアパーツは飲料水と接触することなく低周波電磁波を放射し、音も振動もなく、発振部に手を当てても何も感じられない。

何度が飲料水を活性化させて使用してみたが、たしかに微妙に口当たりがまろやかになっているのが感じられる。また活性化したMRETウォーターをためてお風呂に入れてみたが、やはり水の「質感」がなめらかになっているように感じる。

しかし個人的印象だけでは企業に対する説得力はないだろう。現在、牛乳を活性化して比較テストを行なっているところだが、お酒やワインなどいろいろと試してみたいと思う。

スミルノフ博士は日本進出にあたって、これまで公表してきた論文を掲載してくれる所を探してほしいといってきた。あいにく心当たりはないのだが、もし読者の方でMRETウォーターに関心をお持ちの方が入ればご一報いただきたい。英文ではあるが、博士から送って頂いた論文のいくつかを添付ファイルとしてお送りしたいと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/11/24

知られざる世界遺産

以前に記したギゼル・イヴェールについてだが、ユネスコの当局者に尋ねてもその所在は判明しなかった。仕方がないのでユネスコのサイトをいろいろ調べた結果、ハイチのプロジェクトに彼女が参加している記述があったので、そのハイチの住所当てに手紙を送っておいた。

それにしてもユネスコ・ライブラリーに7本も論文を上梓しているイヴェールの所在がわからないとはどういうことなのか理解に苦しむものがある。彼女はユネスコの正規の職員ではないようだが、長年にわたって遺跡調査プロジェクトに参画しているはずである。組織が大きいと自分のところのウェブサイトにも目が届かないというものだろうか。

それはともかく、イヴェールの手紙には国際返信用切手も同封しているので、無事に届けば何らかの連絡はあるだろう。ただしハイチのプロジェクトの期間が不明なところがネックではある。

ところでユネスコ・ライブラリーからは別の収穫もあった。ケルヴランが1972年の『微量エネルギー元素転換』第2版で紹介しているG・シューベルの論文が手に入ったのである。

G・シューベルはアフリカ地質学の関係でユネスコとの共同調査なども行なっていたらしい。1968年にユネスコがアフリカの鉱産資源についてまとめた報告書の中に彼の論文も収録されている。

シューベルはもともとモロッコ地質調査局長として長年にわたりアフリカの地質調査を行なっていた。そして1952年に「花崗岩化作用と原子核物理学」という論文の中で原子核パリンジェネシス仮説というものを提唱している。

この原子核パリンジェネシス仮説は、簡単にいえば花崗岩化作用における生成鉱物と消失鉱物の不一致をケルヴランの元素転換説のようなプロセスで解釈しようとするものである。これはあまり評判が良くなかったみたいだが、1968年の論文においてシューベルはなおもこの仮説を捨て去ることなく、ケルヴランの研究を引用してその可能性を提起している。

ケルヴランが引用した部分はわずかなものだったが、今回その90ページ以上にのぼる全文をユネスコ・ライブラリーは無償で送ってくれた。今の段階で翻訳に手をつけることはできないが、これはひとつ大きな収穫ではあった。

後にケルヴランの地質学における実験を援助したシューベルが、なぜ彼の研究を拠り所としたのか、その具体的な証明となる「世界遺産」のひとつと言えるだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/11/17

Livre russe

キエフ・グループの第一作『生体系における同位体の元素転換と核融合』についての余談ではあるが、この著作はあの「シーザーの獅子」にも送っている。

かつてケルヴランと4年間にわたって論争を繰り広げたレオン・ゲゲンは、今なお元素転換の完全な否定論者ではあるが、度重なる私の質問に回答を拒むことなく、なおかつ当時の貴重な資料まで送付してくれた。

ケルヴランと彼の論争記事も興味深いものだが、その中でも出色はエニン報告のオリジナルである。彼のケルヴランに対する反証実験を農学アカデミーに報告したエニン報告はアカデミーの会議報告書に記載されているが、当時農学アカデミーはその会議報告書をリーフレットにして関係者に配布していたらしい。その配布されたリーフレット自体をゲゲンは私に送ってくれた。これはフリタージュ研究の沿革においても第一級の資料である。

さらにデスター報告に関する調査にまで協力してくれたゲゲンに、私は何か礼をしたいと考えていた。しかし、私が翻訳したケルヴランの著作を送っても意味のないことはわかっていた。ゲゲンは日本語を読めないし、第一ケルヴランは今なお彼の宿敵なのだから。

そこで思案したあげく、キエフ・グループの研究書を送ることにしたのである。"Livre russe(ロシアの著作)"というメールが彼から届いたのはおよそ半月後のことだった。それを少し引用してみることにしよう。

"Bon jour ! Je vous remercie vivement de m'avoir offert le livre de Vysotskii et Kornilova que j'ai bien recu."

"Je suis plus inquiet de voir que les auteurs de ce livre font reposer leur theorie sur les seules preuves fournies par Kervran et Komaki ! C'est peu !...Je ne peux donc pas accorder beaucoup de credit a un livre qui ne fournit pas d'autres preuves plus credibles de transmutations."

このメールを読んで私は、「さすがシーザーの獅子だな。」と悦に入った。科学者もやはり人間である。自分と意見を異にする者とは関わりあいたくはないだろう。

ゲゲンはフリタージュの完全な否定論者ではあるが、彼の批判的論点には学ぶ余地がある。だからこそ私は、これまで彼の見解に耳を傾けてきたのである。それはケルヴランの著作も論文も読んだことがないのに彼の研究を語る者や、それを無前提に盲信する人々の言葉とは比較にならないものがある。

そしてそういう人々を沈黙させる手段はただ一つ、真実を明らかにする以外に道はないのだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/11/10

キエフ・グループの研究書(2)

ヴィソツキー博士のメールは前述の著作の件ではなく、昨年出版された『活性水の生物物理学概論』に関するものらしい。これについては共著者であるスミルノフ博士からもメールを頂いたが、ヴィソツキー博士の依頼とは若干話にずれがあるので現在確認している段階である。

彼らの前作の『生体系における同位体の元素転換と核融合』についてだが、この著作は日本国内で取り扱っている所はないようである。私もその存在を知ったときから入手しようと探していたのだが、どこで取り扱っているのかわからなかった。そこでヴィソツキー博士に直接購入したいというメールを送ったところ、アメリカのインフィニット・エナジー社(http://www.infinite-energy.com)で取り扱っていることを教えてもらい、入手した次第である。

「インフィニット・エナジー」は常温核融合の専門誌だが、キエフ・グループの論考をたびたび掲載したこともある。40ドル程度で頒布されているので関心のある人は取り寄せてみるのもよいだろう。
ただしあまり強くはお勧めできない。まず第一に、この著作はロシアの出版社から発行されているせいか、たまに白紙のページや部分的に汚れているところがあったりする。これまでに3冊買ったうちの1冊にそのような不良本があったのでIE社にクレームをつけたのだが、次回の注文から10ドル引くと言ってきた。返品や交換はしてくれないようなので注意が必要である。
もう一つは、この著作はロシア語と英語のバイリンガル構成になっているのだが、彼らの英語はかなり理解しにくいものであり、しかも内容が専門的であるため興味本位で読もうとしても途中で挫折する人がほとんどだと思われるからである。

第二作の『活性水の生物物理学概論』も入手してはいるが、フリタージュと関連する研究内容ではないので翻訳は進めていない。しかしなかなか興味深い研究であることは確かである。
彼らによると、日本のある企業がこの研究に関する技術に関心を示しているらしい。そこで、かねてより彼らの研究に着目していた私に仲介役を期待して連絡を取ったようである。

しかし、あいにく私は彼らの研究に対する関心が異なっている。どのような話になるかはわからないが、明確な情報が得られれば可能なサポートはしてみたいと思っている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/11/03

キエフ・グループの研究書

少し前のことだが、ヴィソツキー博士から奇妙なメールが届いた。
彼らの著作である『生体系における同位体の元素転換と核融合』を私は許諾を得て翻訳を進めているが、その進捗状況を知りたいというものだった。

論文集の翻訳体制を大幅に変えたことにより、その翻訳作業はほぼ中断状態にある。平日でも5~6本の資料の翻訳を平行して進め、なおかつ各国の研究者とのやりとりや調査作業に追われている現状ではその翻訳作業を組みこむことは難しい。彼らの著作の翻訳を進めるためには、その量子論的解釈を理解するために調べなくてはならないことが出てくるのでなおさらである。

博士にはそのような現状を伝えておいたが、奇妙なことに彼は私の電話番号を知りたいと言ってきた。
これまでもメールで全て連絡を取ってきたし、キエフと日本では時差もあるので電話で連絡を取るのは実際的ではない。そこでもしかすると日本人研究者が、ヴィソツキー博士を通して探りを入れてきたのかもしれないと考えた。このことを博士にそれとなく尋ねてみたが、返事はなかった。しかし、答えのないことが答えともいえるだろう。

これまでにもそういう動きがなかったわけではないが、もしそうだとしたら実にまわりくどい話である。知りたいことがあるのなら私にメールを送ってもらえればよい。答えられることには答えるし、そうでないことには答えないだけの話である。

彼らの著作の翻訳はある程度まで進んではいるが、未完成の状態なのでたとえヴィソツキー博士の要請でもそれを公にするつもりはない。昨年のICCFで博士と会見して著作も頂いたわけだが、それ以降は私のメールに対して全く返信もなく、また翻訳のためのサポートもなかった。したがって彼らに翻訳の成果を提供する義務もないものと考えている。いずれにせよ今は論文集の構築のための作業を優先する方針に変わりはない。

今年は異例なことに、ICCFは昨年と同じ横浜で開催されるらしい。しかし以上のような次第で、多忙をきわめている現状では参加することはできないと思う。
この冬は、孤独と静寂の中で自分の歩むべき道を進むことになるだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2006年10月 | トップページ | 2006年12月 »