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2006/04/28

健康デザインの小冊子

先日ある小冊子を頂いた。それは「常識が変わる-不老の薬草シリカ」というタイトルのリーフレットである。この小冊子は東大の農学博士であり、㈱健康デザイン(http:www.kenko-d.co.jp)の研究開発部顧問をされている宇城正和氏の監修によるものである。

話はだいぶさかのぼるが、たしか昨年の夏頃のことである。実家に戻ると家人から「ウシロさんという方から電話があった」と伝えられた。「ウシロさん?」そこで私は数日前に頂いた手紙のことを思い出した。

その内容によると、㈱健康デザインはカナダにあるフローラ社の日本総代理店であり、ケルヴランの特許抽出法に基づく「フローラ・シル」、あるいは「ベジ・シリカ」という珪酸サプリメントを販売している会社だという。そしてそのための小冊子を制作するためにケルヴランの翻訳書を購入したいという主旨であった。

おり返し私は宇城氏に電話をかけたのだが、ケルヴランのことに限らずいろいろとお話させて頂いたことが思い出される。そして翻訳書をお送りした後にもご連絡をいただき、『生物学的元素転換』に掲載しているラットのX線画像などをお送り差し上げた。

Apr28129_2 そしてようやく小冊子が完成したということで、一冊寄贈して頂いたのだが、紙数等の制約があるにもかかわらず、ケルヴランの研究についても詳しく取り上げていただいている。私も少しはお役に立てた感じがして嬉しく思う次第である。

小冊子の内容はスギナの有機態シリカが骨密度の増加を促進することがわかりやすく説かれており、宇城博士はもう少し元素転換について記述したかったそうだが、私としては良い仕上がりになっていると思える。また巻末には私のHPや翻訳書についても取り上げて頂いており、その好意的なご配慮には感謝したいと思う。

ただ、これは博士にも申し上げたのだが、ケルヴランがそのような特許を取得しているかどうかは今のところ確認できていない。デンマークのフェロザンが生産している「ケルヴランズ・シリカ」のパンフレットにも同じような記載があり、このことはどうも業界の定説とされているらしい。しかしその話の出所については私もよくわからない。

ケルヴランのプロフィールから見るとそのような特許を取っているとは考えにくいが、もし正式に特許を取得しているのであれば国際的な特許公報などに記録が残っているはずである。しかしケルヴランが他の研究者や製薬会社の委託を受けていた場合には、その会社のエージェントの名前で特許申請がされている可能性もあるので、ケルヴラン自身の名前で特許が見当たらないからといって一概に否定はできない。このあたりが調査の難しいところではある。

Apr28130 しかし、いかなる形であれケルヴランの名が世に知られ、その研究に関心を持つ人が増えてくれれば、こうしたミステリーの一つぐらい残しておいても良いかもしれない。

㈱健康デザインのサイトにはいま話題のデトックスの話などもあり、知識のある人には興味深いだろう。ことさら宣伝というわけでもないが、ケルヴランの名を冠した健康食品なら、もしかするとフリタージュの味がするかもしれないと思う次第である。

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2006/04/21

事物の反乱

ロシアの詩人フレーブニコフは「事物の反乱」というテーマに事寄せて、次のようなフレーズを残している。

「誰もが同じような/重荷を背負った顔のような街路で/まさにいま、時間の老婆が/口の歪んだ反乱をもたらしたのである」

チェルノブイリの原発事故から20年がたち、様々な報道や番組でその放射能の影響と原子炉の現状が伝えられている。フレーブニコフは20世紀初頭の詩人だが、その言葉は、まるでロシアの暗澹たる末路を見定めたかのような響きをもっている。

4号炉の鎮火にあたったリクビダートルは「取り返しのつかないことをしてしまった」と述べていた。そう、われわれ人類はもはや幾度となく取り返しのつかないことをしてしまったのだ。そして気づくのはいつもその時になってである。

放射性物質は広範囲に拡散し、生態系を狂わせ、そして最終的には体内に蓄積されて内部被爆を浴びせ続ける。普通の細胞が異常を起こしたときにはその細胞はアポトーシスを起こし、がん細胞になるのを未然に防ぐという。しかし放射能でそのアポトーシスのプログラムが壊されたとき、DNAを損傷された細胞はそのまま分裂を続け、がん細胞となって増殖する。

20年前に起きたあの事故は決して終わってはいない。むしろ白血病や甲状腺がんなどはこれからさらに増えていくだろう。それこそまさに「時間の老婆」がもたらす「口の歪んだ反乱」なのである。

もしフリタージュを技術的にコントロールすることが可能になったとしても、このような被爆症状を治癒することはおそらくできないだろう。元素転換は主に細胞レベルで生じるものであり、壊されたDNAのプログラムを修復することは期待できない。

ただ、内部被爆の原因とされる放射性物質に対しては何らかのアプローチは可能になるかもしれない。もちろん化学療法や放射線治療など症状に応じて適切な医療技術を併用することが必要にはなるだろう。

このチェルノブイリを私たちは対岸の火事と捉えてはならないだろう。日本の原発行政も放射性廃棄物を地層埋設処分することをもくろんでいる。その放射性廃棄物を固めたガラス溶融固化体に1分間触れただけで、かるく致死線量を超えてしまう。しかも、すさまじい死に方をするだろう。

地方自治体に匿名で寄付金を送り、暗黙のうちに買収工作を行ない、情報を操作して国民を洗脳し・・「時間の老婆」は足音も立てず、私たちの背後に近づいているのである。

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2006/04/13

Modello alpha esteso

先週の週末にルカのテスタメントが届いた。ブルーの合皮貼りに金文字押しという豪奢な作りである。さすがはイタリア、大学の卒論までいいセンスをしている。

しかし問題はその中味である。表紙のタイトルを訳してみると「低エネルギー核反応の技術と応用の現状」というもっともらしい表題になっている。

構成は大きく二部に分かれ、第1章ではフリタージュの沿革が年代順に記述されている。これに類するものは私も個人的にクロニクルとして作成しているが、ケルヴラン以外の研究者についても詳しく掘り下げていけばきりがない。ただしルカの記述は少し私にはあっさりしすぎていて物足りない感じがした。

第2章以降ではコールド・フュージョンの資料やカラー画像による実験手順が収録されており、さすが工学部という感じがする。しかしケルヴランに関してルカは後期三部作しかもっておらず、「コリエーレ・デラ・セーラ」などのイタリア国内の資料調査も行なっておらず、私としては不満であった。

ルカの本の中でもっとも興味深く思われたのは、ロベルト・モンティの研究である。R・モンティはコールド・フュージョンの研究者で初期のICCFにも顔を出していたようだが、モデロ・アルファ・エステッソ、すなわちアルファ粒子拡張理論を提唱し、フリタージュとコールド・フュージョンを統一的に捉えようとしている。

私は以前からこのモンティについては知っていたが、残念ながら直接のコンタクトは取れていない。しかしルカはこのモンティと個人的に連絡をとってこの卒論を完成させたらしい。ちなみにケルヴランの翻訳書をイタリア国内で出版しているアンドロメダ社もこのモンティとはゆかりが深く、同社の専門誌「Seagreen」にモンティはたびたび寄稿している。

「Seagreen」には生物学的元素転換に言及する記事もあったので、ルカにその入手を現在依頼しているところである。イタリア語はあまり知らないが、辞書を引いていけばある程度は理解できる。フリタージュに関する新たな知見が開かれることを切に望む次第である。

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2006/04/03

天使の裏切り

月曜にメールすると言ったルカからはしばらく音信が途絶えていた。何かと忙しかったのかもしれないが、桜沢如一の「健康の七大条件」には「決して嘘をつかないこと」が最重要項目とされている。その意味ではこの時点で彼は信者失格である。桜沢も草葉の陰で泣いていることだろう。
そして先週の金曜日に届いたメールを開けてみると、何とそれはPayPalを通じた160ユーロの支払い請求メールだった。
不審に感じた私は次のようなメールを彼に送った。
「親愛なるルカ 君の意向を確認したい。たしか私たちは書籍の交換について話していたはずだ。なぜ君は私たちが一定の合意に達する前に、このPayPalのメールを送ってきた? 私にはその理由がわからない。」
こうして週末を迎えたわけだが、あまり気持ちは快くはなかった。

土曜日の朝、ルカから何度かメールが届いたようたが、携帯に転送されたメールはinvalidで読むことができなかった。私は基本的に休日はパソコンは使わないので、各種資料の翻訳に専念しルカのメールは読まないことにした。この時点で読んでも適切な対応ができないことも考えられる。少し時間をおいたほうが良いと考えたのである。
そして今朝メールをチェックしてみた。ルカの言い分では、PayPalメールより先に確認のメールを送ったのだが、サーバーエラーで戻ってきたという。たとえそうだとしてもこちらの意向を確認せずに支払い請求を送りつけるのはどうかというものだ。その点については詫びていたが、あまり釈然とはしなかった。というのも、もっと安く送ることができるといって新たな支払い請求を送ってきたからである。しかもすでに発送したといって発送伝票までスキャンして送りつけてきた。これでは払わないわけにいかないだろう。

結果的には最初に私が提示した通り、一冊50ユーロで入手できた計算にはなるが、こちらの意向を完全に無視して先走った彼の態度にはあまり感心できない。拙速も甚だしいといえよう。
フリタージュに関する貴重な資料が手に入るのは私にとって何よりも嬉しいことである。だからこそ、なおさら気持ちよい取引をしたかったのだが。。取引のプロセスにせよ、資料の中味にせよ、問題は彼の仕事のポテンシャルにあると言えるだろう。

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