シアル・シマ・ニフェ
私たちが生存しているこの地球は地震波の解析によって重層的な構造をもつことが示唆されている。具体的には表層部のプレートとして知られる大陸地殻と海洋地殻、そのプレートを動かしているマントル、そして外核と内核からなる中心核である。
地質学の専門用語にシアル・シマ・ニフェという言葉がある。シアル(sial)とは珪素とアルミニウム、つまりアルミノ珪酸塩鉱物を主成分とする花崗岩や結晶片岩によって大陸地殻が構成されていることを意味している。またシマ(sima)は珪素とマグネシウムを指しており、これらを含有する玄武岩やかんらん岩がマントルを形成していることを示している。そしてニフェ(nife)はニッケルと鉄を意味する言葉で、地球の中心核がこれらの金属によって形成されていることを示している。
このように地球化学的に区分される構造があることは知られているが、それではこれらの地質構造がどのようなプロセスで形成されたのかは解明されていない。
たとえばソ連の天文学者のV・B・ネイマンは元素の倍増進化という仮説を提唱しているが、シアル・シマ・ニフェといった重層的な構造がどのように形成されたのかについてはもう少し詳細な検討が必要になるだろう。
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