2016/08/08

木村式自然栽培のシンポジウム

Dsc_0001先月の7月23日、倉敷市民会館で木村式自然栽培のシンポジウムが開催された。

シンクロニシティーという言葉があるが、杉山教授の本を読んでいた私はこのシンポジウムが開催されることを全く知らなかった。たまたま新聞のチラシを整理していたときに、その開催広告を目にしたのである。

このシンポジウムでは木村秋則氏も講演されるということだったが、当初私はあまり参加するつもりはなかった。木村氏には自然栽培の方法論はともかく、その科学的説明は期待できないと考えたからである。しかし直接的な情報として得るものはないかもしれないが、自然栽培の第一人者としての姿勢を感じとることも大切かもしれないと思いなおし、このシンポジウムに参加することにしたのである。

Dsc_0003_2会場となった倉敷市民会館は子供の頃からよく目にしていたが、中に入ったことは数えるほどしかない。今回シンポジウムが行なわれた大ホールは初めて入った場所である。

木村氏の講演に先立ち倉敷市長が行なった挨拶は簡潔でよかったが、その後の地方議員の話が無駄に長かった。時間がだいぶ押した形で木村氏の講演が始まった。

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NHKの番組で見たときには穏やかな口調に思われたが、実際の講演ではゆっくりとだが力強い言葉が伝わってきた。スライドの上映とともに講演は進められたが、その中で興味深かったのは投入された窒素肥料が消失しているというケルヴラン的な情報や東北大学による根圏微生物群の研究である。

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ニトロゲナーゼのような詳しい情報まではなかったが、今後十分研究する価値はあると感じられた。

木村式自然栽培は全国的に普及されつつあるようだが、それぞれの土地の気候風土などもあるので、あらゆる作物に有効とは限らない。しかしその科学的解明を進めることによって、より明確な方法論として確立されてゆくに違いない。




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2016/07/19

奇跡のリンゴとフリタージュ

先日書店で偶然見つけた本だが、弘前大学の杉山修一氏の『すごい畑のすごい土』という本を読んでいる。これは「奇跡のリンゴ」で知られる木村秋則氏のリンゴ園に関する研究を記したものである。

木村式自然栽培はかなり有名になっており、各県でその自然栽培を実践しようという動きが広がっている。しかし無肥料・無農薬というその栽培方法は従来の農業方式とはかけ離れた方法論であり、疑問をもつ人も少なくない。

杉山教授も自然栽培の全体像を解明したわけではないが、少なくともそこには三つのファクターが関与しているという。それは「植物-土壌フィードバック」と「生物間相互作用ネットワーク」、そして「植物免疫」である。

たとえば木村リンゴ園では特別な肥料を与えていないのに土壌の窒素量は慣行栽培のリンゴ園とほとんど変わらないというデータが得られている。杉山教授はこの現象をリンゴ園に生息する微生物が下草を分解して全体的な窒素循環を促進しているのではないかと考えている。

これはこれで一つの考え方として納得できる部分もあるのだが、全体的な収支のバランスが取れているのかという疑問が残る。その点についてはもう少し実験的なアプローチが必要だと思われる。また杉山教授は、木村リンゴ園には他のリンゴ園の1.5-2倍の微生物が存在するというデータを示しているが、問題はその微生物の種類と生態である。

『未来のフリタージュ』にも記しているが、窒素固定細菌のアゾトバクターやリゾビウム属はニトロゲナーゼという酵素をもっている。このニトロゲナーゼはモリブデンによって活性化されるモリブデン含有ニトロゲナーゼが一般的だが、鉄やバナジウムを含むニトロゲナーゼも存在しており、これらは代替ニトロゲナーゼと呼ばれている。微生物の種属によってはモリブデン含有ニトロゲナーゼと代替ニトロゲナーゼを両方もつものも存在するが、代替ニトロゲナーゼのみをもつ微生物はこれまで発見されていない。

たとえ自然栽培の実践によって多種多様な微生物が生息するようになったとしても、ニトロゲナーゼを活性化する金属触媒がなければ酵素反応は進行しない。そこでどのような微生物がどんなニトロゲナーゼを作り出しているのか、また鉄分やモリブデン、バナジウムが土壌にどれだけ含まれているのかを調べることが必要である。

もしそのような調査を行なっても窒素分の収支が合わないのであれば、モリブデン含有ニトロゲナーゼしかもっていない微生物が鉄分を利用している可能性も考えられる。そうすると酵素反応に必要な金属を微生物が元素転換によって作り出しているという考え方も成立するだろう。杉山教授にはこのあたりまで研究を深めて頂きたいと願う次第である。

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2016/07/01

ホームページ終了について

以前にニフティから連絡が来ていたのだが、これまでに制作しているホームページは9月には閲覧できなくなるそうである。するとケルヴランを中心に記しているサイトはいずれ閲覧できなくなるらしい。

新しい有料のホームページを申し込んでデータを移動させることは可能らしいが、以前に作ったケルヴランのサイトをそのまま作り直すのもどうかと思うので、そのような処置はしないつもりである。

したがってしばらくはこのブログだけということになるが、特別不都合な点がなければこの方針でいくつもりなのでご了承願いたい。

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2016/06/21

第2回フリタージュ会議

やがて開始時間が近づくにつれて参加者の皆さんが集まってきた。今回の参加者は前回の半数程度だったので会場を変更したが、予定時刻にはほぼ全員が到着した。

今回の会議ではメタン菌による元素転換実験とCCS理論、そしてMRETウォーターに関する講演が行なわれた。最初に投影されたパワーポイントの画像はモスクワ大学のエレーナが送ってくれたPDFとは異なるものだったので、ドクターにこれではなくメタン菌のパワーポイントを出してほしいというと、このパワーポイントにメタン菌の実験も収録されているというので、準備した資料と少し異なるが、内容は理解しているのでそのまま進行することにした。

今回の会議の参加人数は少なかったが、意識の高い人ばかりで、前回よりも深みのある議論が行なわれた。会場の時間設定はPM1:00-4:30だったので、議論は盛況だったが、その分もう少し時間がほしかった。最後はドクターと参加者の皆さんとの写真撮影で盛り上がった。

また今回の会議ではドクターが昨年取得した新しい特許についても触れられた。それは放射性核種を含んだ水を微生物の元素転換反応によって浄化処理するというものだが、福島原発の汚染水の処理にも応用可能なものである。その詳細についてはいずれ改めて報告したいと思う。

会議が終了した後、参加者の皆さんとともにビルを出て、ドクターとリムジンバスの停留所に向かう。すると見知らぬロシア人青年が私に近づいて握手を求めてきた。少々面食らっていると、ドクターと一緒にX線レーザー国際会議に参加した研究者だという。そして「自分は今回初めて来日したが、日本人はみんな優しくしてくれた。また日本の伝統文化にも感銘している。」といって日本人代表として私に感謝の意を伝えてくれた。名前をたずねるとドクターと同じウラジミールだという。私は「Please come again.」と伝えて二人のウラジミールを車中に見送った。

今回のフリタージュ会議は時期的・地理的要因から参加者が少なかったのかもしれないが、ディスカッションの内容は非常に有意義だった。そして参加された方々の大半からも有意義だったという感想をメールで頂いた。まだ確定したわけではないが、10月のICCF-20 にドクターが来日されるときにも何らかの会合をもちたいと考えている。来日スケジュールにもよるが、ICCF-20前後の日曜日に首都圏近郊で開くことが望ましいだろう。参加人数はともかく、今回のように意識レベルが高く、ドクターの研究に謙虚に学ぼうとする意欲のある人が望ましい。そういう人には必ずそこに得るものがあるはずである。

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2016/06/10

形あるものの彼方へ

5月28日、AM9:00にホテルをチェックアウトしてフリタージュ会議を行なうビルに向かうと、すでにドクターが到着していた。会議の開始まで時間があるので、ビルの事務室に荷物を預けて再び観光に出かけた。

まずは東大寺に向かい、仏像ミュージアムに入った。昨日訪れたときは夕方だったので閉館していたが、今日はゆっくり鑑賞することができた。ドクターは一つ一つの展示物を眺めながら、ときおりこれは当時のものか、それともレプリカなのかと尋ねてきた。

続いて奈良国立博物館に向かい、様々な仏像を鑑賞する。これまで仏像に特に興味はなかったが、歴史的な作品を目にすると、やはり何かが伝わってくるような感覚をおぼえる。それはおそらく現代の私たちには失われた、崇高な存在を希求する志ともいえるものだろう。ある意味では宗教的支配の道具として利用された側面もあるのかもしれないが、それでもその根底にあるものはゆるぎない祈りの心である。

博物館の二階で少し休憩したあと、会議の準備を行なうためにビルに戻った。すでにプロジェクターとスクリーンが会議室に準備されていたのでドクターがパソコンを接続するが、スクリーンに画面が投影されない。マニュアルがなかったのでプロジェクターの使い方がわからなかったが、しばらく使ってみると何となくわかってきてパソコン画面が投影されるようになった。とりあえず会議の準備も整った形である。

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2016/06/03

奈良観光

5月27日、この日ドクターは学会終了後に研究所のツアーに参加するということなので、PM3:30にリムジンバスの停留所で合流する約束になっていた。それまで私は自由時間だが、前日の観光で疲れていたのでホテルで休むつもりだった。

ところがホテルの清掃が入ったため自室に戻れなくなり、仕方がないのでロビーのパソコンを占有して昨日までの経緯をブログの記事としてまとめた。しかし清掃に5時間もかかるとは思わなかった。

ようやくPM2:30頃に自室に戻ることができたので、外出の準備をして待ち合わせ場所に向かった。この日はよく晴れた初夏の陽気だった。

ドクターと合流すると、まずは興福寺に向かう。五重塔をバックにドクターの写真を撮ったあとは国宝館に入った。ドクターは興味深そうに展示されている仏像を見てまわり、年代や材質をたずねてその保存状態に感心していた。タイに行ったときに横たわる釈迦像を見たことがあるといい、興味深く展示品を眺めていた。

その後東大寺に向かい大仏殿の中も見てまわったが、写真撮影をしながらその巨大さに感心していた。南大門を歩いていくと例によって観光客が鹿とたわむれている。その風景を眺めながら春日大社の参道に向かっていった。

静かな参道を歩くのは心が癒されるものだが、すれちがう人ばかりなので時計を見ると6時前である。これはもしかすると閉まっているかもしれないと思い、途中で参詣をあきらめて引き返すことにした。その後、参道の横にある広々とした草地で鹿がくつろいでいる所を眺めて、この日の観光は終了した。

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2016/05/27

国際フォーラムでの再会

5月26日、ホテルで朝食を済ませて9時半ごろに再び<IRAKA>に向かう。昨日歩きつかれたので、今日はバスを利用することにした。

観光客に混じってバスに乗り込むと実にスムーズに春日大社前まで到着した。天気は少し曇りがかっていて、湿度が高いことが肌で感じられる。

再び<IRAKA>に到着すると会議が開催されているらしい。受付嬢に声をかけ、ヴィソツキー博士に到着したことを伝えてほしいと依頼した。

ほどなくしてドクターが会場から出てきて、久しぶりの再開を果たした。会議は継続されていたが、ドクターは24日にプレゼンテーションを行なっていて、この日は他の研究者のプレゼンに参加している模様だった。

<IRAKA>のラウンジに移って近況を報告したあと、ドクターに『生体系における同位体の元素転換と核融合』の第2版と『未来のフリタージュ』を渡した。ドクターは興味深そうにそれを眺めたあと、ノートパソコンを取り出し、各研究のパワーポイントを見せてくれた。

ヴィソツキー博士は今回のX線レーザー国際会議に特別に招待されているインバイト・スピーカーである。それはX線バブル・キャビテーションという独自の研究技術で国際的に注目されているからである。X線バブル・キャビテーションについては前回のフリタージュ会議で少し触れたことはあるが、生物学的元素転換の研究とは関連性がないので、これまで取り上げてはいなかった。

会議が終了してランチタイムになると、ドクターは一緒に昼食をとろうといって受付嬢から堂々と二人分のお弁当をもらってきた。そこで前回の筑波の学会のときと同じように、学会に参加していないのに、ランチを取ることになった。食べる前にドクターはランチの写真を撮っていたが、奥さんにそれを送るとメニューの参考になるそうである。

昼食をとった後には、2Fに学会のポスタリゼーションがしてあるといい、付いていくとバブル・キャビテーションのポスターが貼られていた。ドクターは持ち帰るためにそれを外したのだが、サイズが大きすぎるので半分にカットしたいという。私はちょうどリュックの中にイバーソンのパールナイフを持っていたので、それをドクターに手渡した。ナイフでそれをカットしたドクターは会場に備えつけていたビニール製の傘袋でポスターを包んで、コンパクトになったと上機嫌だった。一体何がそんなに面白いのかよくわからないが、ありきたりのことを楽しむという才能はうらやましい限りである。

その後は会場周辺を少し散策したが、天井から垂れているチェーンを見てこれは何のためのものかと尋ねたので、これは雨どいの水滴を伝わせるものだと説明すると、実に面白いジャパン・テクノロジーだと感銘していた。

ドクターは午後の会議にも参加する予定なので、明日以降のスケジュールを打ち合わせて<IRAKA>を後にした。その後、私は春日大社と興福寺に立ち寄ったが、先日と同じくかなり足が痛かった。

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本当の<光>

5月25日、私はドクターと合流するために奈良に出発した。

ドクターからは事前に何度がメールが届いていたが、宿泊先のWIFIの状態が安定していないらしく、メールが確認できないらしい。私は現地に着いてから直接コンタクトをとろうと考えていた。

奈良を訪ねたのは小学校の修学旅行以来である。あまり明確な記憶はないが、それでもいくつかの観光地を訪ねた覚えがある。しかし今回は観光が目的ではない。

観光とは「光を観る」という意味だが、これまで私は観光地で本当の<光>を観たことがない。ただひたすら人の汚した土地があるばかりである。あなたは観光地と呼ばれるところで本当の<光>を観たことはあるだろうか?

むしろ観光地で目にするものは、人目に付かないように移された墓地とか、見えないように捨てられたゴミなどである。それが人間の真実というものなのだろう。

午後3時半に近鉄奈良駅に到着すると、ホテルに荷物を預けてX線レーザー国際会議が開かれている奈良国際フォーラム<IRAKA>に向かった。地図で観るとかなり近い場所に思われたので歩いていくと、結構長い上り坂でかなり疲労を感じる。ようやく到着すると、公園で修学旅行生が鹿を追い回していた。このあたりの風景は昔も今も変わらないようである。

<IRAKA>に到着して会議場を探してみたが、ほとんど人の気配はない。たしかドクターからは会議の後に river excursion に行くと伝えられていた。よくわからないので受付で尋ねてみると、本日の会議終了後に保津川の川下りに行ったとのことで、今日は戻ってこないという。どうりでメールをしても返事がないわけである。

仕方がないので、少し周囲を<観光>してみようと考えた。氷室神社というところに立ち寄り、少し下ったあたりで東大寺が近くにあることに気づいて立ち戻った。たしか修学旅行のときには大仏殿の改修工事が行われていたが、現地に行ってみても本当に当時と同じ場所なのかも思い出すことができない。ともあれ写真を撮りながらひととおり見てまわったが、修学旅行生や観光客が多すぎてすがすがしい土地とは思われなかった。境内では中国か台湾の家族に「Excuse me」と声をかけられ、アイフォンで家族写真を撮ってあげた。

その後、ホテルに戻る頃にはかなり足が疲れてしまった。ドクターに再度メールをしたが全く応答はなく、明日また国際フォーラムに行って合流するしかないと考えて、その日はホテルで休むことにした。

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2016/05/23

ドクター来日

昨日ドクターから無事に奈良に到着したという連絡が入った。

私は25日に現地に向かう予定である。26-27日は特に予定はないので、時間があればドクターと奈良市内を観光し、会議の詳細について打ち合わせをするつもりである。

第2回フリタージュ会議に参加予約されている方は、道中気をつけておいで頂きたい。ドクターも皆さんとお会いすることを楽しみにしている。

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2016/05/06

会議の日程について

フリタージュ会議の概要については先に通知したとおりだが、若干の変更点がある。
ドクターの帰国は29日と聞いていたのだが、新たなメールが届き、29日は間違いで本当は28日だと通知してきた。
28日は会議当日なので、関空までの移動時間を計算するとかなり時間的にシビアなスケジュールになる。
もし可能であれば会議を22日(日)に変更する方がドクターのスケジュールも余裕ができるし、参加できる人も増えるかもしれない。
この点についてご意見のある方は連絡してほしい。それによって会議の日程を調整したいと考えている。

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